コメント/レビュー

アウンサンスーチー、学生、僧侶、市民らによる民主化を目指す運動は比較的よく報道されますが、ビルマには忘れてはならないもうひとつの問題があります。
軍政による少数民族への圧迫と、その結果として発生する国内避難民たちの悲惨な状況、そして跡を絶たない難民の実情です。多くの時間と労力をかけ、彼らの側の証言を集めて編集されたこの貴重な映像作品は、私たちがけっして見過ごしてはならない「もうひとつのビルマ」を確実に伝えてくれます。ひとりでも多くの方に見て頂きたいと願います。

日本語字幕監修、解説

根本 敬(上智大学外国語学部教授/ビルマ近現代史)

今までほとんど伝えられてこなかった少数民族への弾圧の実態を潜入したカメラがとらえていました。

まずはこの現実を見ることが出発点だと思います。日本を含む外国政府や企業が武器供与や石油利権などの形でビルマの軍事政権を支えています。弾圧への加担をやめさせなければならないと思います。
両親をビルマ政府軍に殺された少数民族の子どもが、「大きくなって復讐したい」と話しているシーンが衝撃的で、世界がそこまで追い込んでいるのであり、憎しみの連鎖は断ち切らなければならないと思いました。ビルマ民主化のために更に働きたいと改めて思いました。

川田 龍平(参議院議員)

渋谷のアップリンクで、在日ビルマ人の民主化活動家約20人と、軍政下ビルマ(ミャンマー)の民族的、宗教的マイノリティーに対する人権弾圧に焦点を絞ったドキュメンタリー映画の試写を観せてもらった。
予想以上に、わかり易くかつ説得力ある映像でまとめられていて、目頭が熱くなる場面もあった。ビデオ映像の説得力と狙いの絞られた取材視点の強みを実感させられた。 →全文読む

山本 宗輔(フォトジャーナリスト)

敬称略/順不同