■INTRODUCTION

『プロミス』は、3人の監督の1人であるB.Z.ゴールドバーグの、パレスチナ自治区や彼もこれまで訪れたことのなかったヨルダン川西岸のユダヤ人入植地、そして彼が育ったエルサレム近郊への旅を追ったドキュメンタリーである。
1997年〜2000年までの3年間、パレスチナ・イスラエル双方の子ども達7人を取材した。彼らはそれぞれ全く違う家庭環境、社会環境の中で暮らしている。エルサレムで成長し、やがて大人になっていく7人がそれぞれに自分の物語を語る。
ユダヤ人の双子の兄弟、ヤルコとダニエルはパレスチナ人の少年、ファラジのポラロイド写真を見て、彼への興味がピークに達する。そして、ゴールドバーグに「会ってみたいな」と持ちかける。しかし、ファラジはイスラエル人の子どもと会う気はまったくなかった。
だが「今までイスラエル人に私達パレスチナ人の境遇を説明した子どもがいる?いないでしょ」と、同じパレスチナ人の少女、サナベルの呼びかけにより双子と会う決心をする。そしてファラジはこの会合のイニシアティブを自らとり始める。
双子は難民キャンプを訪れる。彼らはキャンプが迎えた初めての「あちら側の人間」だった。子ども達みんなで食卓を囲み、サッカーをして遊ぶうち、彼らの距離が縮まってゆく。しかし、物理的、文化的な遮断の前に歩み寄りたいという子ども達の願いは叶わず、友情の約束はつかの間の出来事として終わる。
この会合から2年ほど経った映像がエピローグに使われている。成長した彼らは、穏やかだが正直に「あちら側の人々」について自分なりの考えや、また双方が一同に会する可能性、将来の夢などを語る。

[監督:ジャスティーン・シャピロ]
南アフリカで生まれ、カリフォルニアで育つ。世界30カ国で放送された冒険旅行シリーズ『ロンリープラネット』(テレビ番組)の製作に携わった。ロサンジェルスでは演劇、映画、テレビ番組に出演したり移民に英語を教えたりしていた。これらの経験がドキュメンタリー製作へのインスピレーションになっている。

[監督:B.Z.ゴールドバーグ]
ボストンで生まれ、イスラエルで育つ。ヘブライ語とアラビア語に流暢である。ニューヨーク大学映像科に進み、インティファーダ(パレスチナ住民による民衆蜂起)の際はエルサレムに戻り、ロイター、BBC、NHKなどのテレビニュース番組製作に携わった。

[共同監督:カルロス・ボラド]
メキシコ生まれ。社会学と映像を専攻。映像編集者であり、映画監督である。1999年製作の長編映画『時を超えて』で監督デビューを果 たす。同作品はメキシコ映画の90年代の最高傑作として広く評価されている。同作品はメキシコのオスカーである「エアリアル」賞で、作品賞を含めた7部門で受賞し、サンダンス映画祭、トロント国際映画祭、モスクワ国際映画祭など、世界中の映画祭に出展された。 『赤い薔薇ソースの伝説』も彼の編集による作品である。また、『アモーレス・ペロス』は、彼が「編集の医者」としてかかわった膨大な数の映画の中の1本。