モーリス・エンゲル=ルース・オーキン特集 Morris Engel and Ruth Orkin retrospective

上映終了

L&L3
『恋人たちとキャンディ』より
日時
上映終了
料金
一般¥1,200/3回券¥3,000/アテネ・フランセ文化センター会員・アップリンク会員・学生・シニア¥900
会場
ROOM(2F)
作品分数
『小さな逃亡者』(80分) 『恋人たちとキャンディ』(82分) 『結婚式と赤ちゃん』(81分)

大人なんてこわくない


アメリカ・インディペンデント映画の先駆者であり、トリュフォー、ゴダール、カサヴェテスなど後の映画人に広く影響を与えたエンゲル=オーキン夫妻。子供や大人たちの何気ない日常を、ユーモアに包んで生き生きと捉えた全3作品を特集します。

もし若きアメリカ人のモーリス・エンゲルが、その素晴らしい『小さな逃亡者』でインディペンデント映画への道を示してくれなかったら、私たちヌーヴェル・ヴァーグは決して生まれなかっただろう。
―フランソワ・トリュフォー
1950年代、アメリカ映画は転機を迎える。スタジオ・システムが崩壊しつつあり、ハリウッドは新たな傾向の映画を模索し始める。スタジオとは別の場で映画作りを始める者たちも現れる。エンゲル=オーキン夫妻はそうしたインディペンデント映画作家の最も早い例である。が、街頭にカメラを持ち出し、人々の何気ない日常を生き生きと捉えたその作品は、社会への問題意識を強く持つ他のアメリカのインディペンデントよりは、フランスのヌーヴェル・ヴァーグに近い。彼らの作品は、50年代後半以降、全世界的に現れた映画革新運動の中でこそ評価すべきなのかもしれない。今回の全作品上映は、魅力に溢れた作品を愉しみ、かつ彼らの映画史的な重要性を考える絶好の機会である。
―吉田広明(映画批評家)
【上映作品】

ボクもけっこういそがしい

『小さな逃亡者』

(1953年/80分/デジタル上映)
監督・脚本:モーリス・エンゲル、ルース・オーキン、レイ・アシュレー
撮影:モーリス・エンゲル
出演:リッチー・アンドラスコ、リチャード・ブルースター



兄を殺したと思い込み、逃れた先はコニー・アイランド。しかし、そこは何とも魅惑の遊園地だった。むっつり顔の少年は我を忘れて遊び呆ける。生き生きと現実を捉える隠しカメラ。ときめきを伝える躍動感あふれる編集が素晴らしいエンゲル=オーキン第一作。

あんたがパパなんてみとめない!

『恋人たちとキャンディ』

(1956年/82分/デジタル上映)
監督・脚本:モーリス・エンゲル、ルース・オーキン
脚本:メアリー=マデリーヌ・ランフィアー
撮影:モーリス・エンゲル
出演:ロリ・マーチ、ジェラルド・オルーリン



エンゲル=オーキン第二作。七歳の娘を持つ未亡人が旧友の男友達と付き合い始めるが、娘の存在が彼らの関係を微妙なものにする。可愛らしくも憎たらしい女の子のリアルな表情が先ず何より魅力的。大人の恋愛物語としても見うるロマンティックでキュートな一品。

私のカレは優柔不断

『結婚式と赤ちゃん』

(1958年/81分/デジタル上映)
監督・脚本・撮影:モーリス・エンゲル
脚本:ブランチ・ハナリス、メアリー=マデリーヌ・ランフィアー、アーヴィング・スナスキー
出演:ヴィヴェカ・リンドフォース、ジョン・マイハーズ








結婚式と赤ちゃんを専門とした写真館を営みながら、自分たちは結婚に踏み切れない共に移民のカップル。女は三十歳を間近に控え、男は母親のトラブルを抱えていた。同時録音も用いて、当時のニューヨークでの生活感を見事に記録。オーキンの病により、エンゲル単独作となった。

モーリス・エンゲル=ルース・オーキン
Morris Engel and Ruth Orkin
モーリス・エンゲルは1918年生まれの生粋のニューヨークっ子。フォト・リーグに所属、戦時中は海軍写真部でノルマンディ上陸作戦を撮影。ポール・ストランド『ネイティヴ・ランド』の現場で映画に興味を持つ。ルース・オーキンは1921年ロサンゼルス生まれ。同じくフォト・リーグに所属、セレブリティの写真などで知られる。結婚した二人は共同で脚本を執筆、製作して映画を撮る。『小さな逃亡者』はインディペンデントながら、劇場公開されヒット。オーキンが病に倒れたこともあり、映画は三作に留まる。オーキンは1985年、エンゲルは2005年死去。

■主催:アテネ・フランセ文化センター、アップリンク
■協力:Mary Engel
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