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(敬称略・順不同)

アニエスの映画に対する情熱を強く感じました。 これからも映画を作り続けて欲しいなと思いました。

─浅野忠信(俳優)

アニエスの頭の中をのぞいちゃった・・
秘密がいっぱい。

─河瀨直美(映画監督)


傷ついた男性と少女。
二人の感じる束の間の自由がとても切なかったです。

─柳楽優弥(俳優)

永遠に続くはずのないふたりの旅は、だからこそ美しく、痛々しく、軽やかだ。無理なことはわかっているのに、終わりが近づけば近づくほど、この旅が、映画が、いつまでも続けばいいと僕は心の中で願っていた。

─是枝裕和(映画監督)


深すぎる秘密が痛く哀しい。美しい映画だけになおさら哀しい。ふたり旅の間、少女の哀しい顔は日に日に笑顔のバリエーションを増やし、最後はいつもスキップしている女の子になっていく。無口なドライバーの口数は徐々に増え、最後はすぐに歌い出すような男になっていく。1日1日加速する、非日常感、自由、親密さのプロセスが美しく、せつない。

─西村緑(フィガロジャポン編集長)

美しい色彩とカメラワーク、ハッとするような光と影、強いメッセージ、ヴィンテージの衣装、さりげなく流れるロックミュージック。作品のすべてにアニエスベーらしい表現が溢れていて、上品でロックンロール、繊細だけれどダイナミック。ストーリーはシリアスでありながら、ラストにかすかな明るい光を残してくれる所はまさに‘アニエス作品’。ファッションデザイナーとしてのアニエスベーのファンである私は、映画監督としての彼女のファンにもなりました。

─SHOKO(アーティスト)


この映画には、アニエスの個人的な目を通して、切なさも美しさも含めた普遍的な自由の輝きが描かれている。「日常」における「非日常」が旅なのではなくて、旅=人生の中のふとしたひらめきの瞬間に、それらが反転すること。この瞬間が自由を生むのかもしれない。一つひとつのシーンが好きだ。何気ない海辺の風景や、石の壁、歌、火、空。それらが独特のユーモアとひらめきによって紡がれていく。旅に出たくなると同時に、日常が愛おしくなる映画だ。

─鈴木ヒラク(アーティスト)

ピーターとの旅。あてどなく、目的もなく、いつか必ず終わりが待つ見知らぬ者同士の旅が、セリーヌの最高の思い出になる。長年に渡り、ファッション界を牽引してきたアニエスが描くテーマが、ファッションでもカルチャーでもなく、傷ついたわずか12才の少女の、予期せぬ旅であることに驚く。「君も旅に出るだろう、私たちは皆、旅人だ。幸運を」。旅に答えはないけれど、旅を答えにする人の強い心を、ラストシーンのセリーヌから観る人は引き受けるだろう。

─西田善太(ブルータス編集長)


悲し過ぎる日常も、ありきたりな田舎町の風景も、アニエスの手に掛かれば極上のアート作品になり、お伽話のような神秘性で、淡くキラキラとした光を放つ!
そう、12歳の少女と初老のスコットランド人男性との偶然で不思議な逃避行は、お伽話のようにピュアで美しく、物凄く切ない。こんなに綺麗な映画を観たのは、久しぶりだ!

─カジヒデキ(ミュージシャン)

こんなにアイデアに満ち溢れた作品を観たことがない!

─ケン・ローチ(映画監督『麦の穂をゆらす風 』『ジミー、野を駆ける伝説』)


美しく、心動かされ、不穏で奥深い。
洗練されたストーリーテリングに斬新な映像。
これが初監督作だとは誰も思うまい。アニエスの偉業を讃えたい。

マイク・リー(映画監督『秘密と嘘』『ターナー、光に愛を求めて』)

アニエスがつくり出すものはいつも、誠実で感動的で楽観的。
この映画は残酷な状況を描いているが、人生の新鮮な風や希望の息吹に満ちている。

─ギャスパー・ノエ(映画監督『アレックス』『エンター・ザ・ボイド』)