映画『ホドロフスキーのサイコマジック』
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監督・脚本:アレハンドロ・ホドロフスキー
出演:アレハンドロ・ホドロフスキー、アルチュール・アッシュほか
(2019年/フランス/104分/フランス語、スペイン語、英語/1:1.85/5.1ch)
日本語字幕:比嘉世津子 デザイン:中村友理子(HOOH) コラージュ:河村康輔
配給・宣伝:アップリンク
©SATORI FILMS FRANCE 2019 ©Pascal Montandon-Jodorowsky

2022年2月1日(金)
DVDセル&レンタルリリース

DVD

仕様

本編104分/特典映像19分/227分/37分収録/16:9LB/ビスタサイズ/カラー/片面1層/1枚組/音声:フランス語|スペイン語|英語(日本語字幕)/ドルビーデジタル/ステレオ

特典映像

【1】19分/【2】227分【3】37分

発売元:アップリンク
販売元:株式会社JIGGY FILMS


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91歳、アレハンドロ・ホドロフスキー監督の集大成。これまで創り上げてきた作品が、いかに“サイコマジック”であったかを証明する。91歳、アレハンドロ・ホドロフスキー監督の集大成。これまで創り上げてきた作品が、いかに“サイコマジック”であったかを証明する。

「サイコマジック」とはホドロフスキーが考案した心理療法である。本作では自身のこれまでの作品での映像表現が、いかに「サイコマジック」という技法によって貫かれているかを解き明かしていく。実際にホドロフスキーのもとに悩み相談に訪れた10組の人々が出演し、「サイコマジック」がどのように実践され、作用しているのかを描く。
ホドロフスキーは、自身をフロイトと対置した上で、「サイコマジック」は科学が基礎とされる精神分析的なセラピーではなく、アートとしてのアプローチから生まれたセラピーであると語る。長年にわたり個人のトラウマに応答する一方、本作後半で社会的な実践「ソーシャル・サイコマジック」を展開する様子は圧巻!

映画『ホドロフスキーのサイコマジック』
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REVIEW

敬称略・順不同

  • 常軌を逸している。
    悪趣味かつ、感動的。

    ホドロフスキーは今回も
    安全な道を選ばなかった。

    ロック&フォーク誌

  • 大胆に、変幻自在に、
    因習をブチ壊す。

    ル・フィガロ誌

  • ただただ茫然とするばかりだ。
    ホドロフスキーは完全無欠の
    アーティスト
    なのだ。

    テレラマ誌

  • 美しくグロテスク、
    それでいて優しい。

    つまり100%ホドロフスキー的な
    作品である。

    プルミエール誌

  • 驚愕。
    この映画は魂への
    新たなアプローチの啓示である

    フランスアンフォ

ABOUT PSYCHOMAGIC

アレハンドロ・ホドロフスキー著『MANUA L OF PSYCHOMAGIC』序文より抜粋。アレハンドロ・ホドロフスキー著『MANUA L OF PSYCHOMAGIC』序文より抜粋。

精神分析とは、言葉を使って心の傷を癒やすことだ。“患者”という名の相談者は椅子やソファに座り、精神分析医が患者に触れることはない。彼や彼女の辛い症状から解放されるために、彼らが求められることは、夢を思い出すことであり、過去の失敗や事故に焦点を当て、 言葉を意志から引き離して、心に浮かぶままに任せて、書き出すことを求められる。長い混乱した独白の後、セラピストは患者の記憶の奥底に眠っていたものを蘇らせる。
無意識て発せられたメッセージを合理的な筋道に変換することで患者の治癒を助ける精神分析医は、患者が自身の症状の原因を発見しさえすれば、患者はそれらを排除できると思いこんでいる。しかし、ことはそこでは終わらない。無意識の衝動が現れた時、その衝動を満たすことでのみ 、開放することができるのだ。
サイコマジックは話すだけでなく、行動を起こすことを提唱している。相談者は精神分析の方法論とは正反対な道を辿り、無意識に合理的な言語を話すことを強いるのではなく、言葉だけではなく、行動やイメージ、音、臭い、味、触覚などで構成されている無意識の言語があることを学んでいく。無意識というのは、記号的な、あるいは隠喩的な不確かなものを許容することができる。

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PROFILE

監督アレハンドロ・ホドロフスキー

監督
アレハンドロ・ホドロフスキー

1929年、チリ生まれ。映画監督、詩人、舞台演出家、コミック作家として活動しながら、タロットや禅、瞑想などにも積極的に取り組み、世界中に熱狂的なファンを抱える。ニューヨークの深夜上映で火がついた『エル・トポ』(1970)で、ジョン・レノンやアンディ・ウォーホルらから熱烈な支持を得る。その後『ホーリー・マウンテン』(1973)、『サンタ・サングレ/聖なる血』(1989)を発表し、カルト界の巨匠としての確固たる地位を築く。近作の『リアリティのダンス』(2013)、『エンドレス・ポエトリー』(2016)では、作家自身のルーツを掘り下げた自伝的映画を制作。現在、この自伝的三部作の完結編となる新作『不可欠な旅』を準備中。

2019
『ホドロフキーのサイコマジック』
2016
『エンドレス・ポエトリー』
2013
『リアリティのダンス』
1990
『ホドロフスキーの虹泥棒』
1989
『サンタ・サングレ 聖なる血』
1980
『Tusk』
1973
『ホーリー・マウンテン』
1970
『エル・トポ』
1968
『ファンド・アンド・リス(Fand Y Lis)』
1957
『すげかえられた首(La Cravatte)』(短編)

撮影監督
パスカル・モンタンドン=
ホドロフスキー

1972年、フランス・パリ生まれ。ビジュアルアーティスト、デザイナーであり、 アレハンドロ・ホドロフスキーの妻。キャロリン・カールソンの舞台美術や、フランス企業・エメリスのレセプションの空間デザインなどを手掛ける。ホドロフスキーとは多くのアートプロジェクトのほか、 それぞれのファースト・ネームを融合した 「パスカレハンドロ」という名前で共同制作をし、作品を発表している。『リアリティのダンス』(2014年)『エンドレス・ポエトリー』(2017年)では衣装デザインを担当。 『ホドロフスキーのサイコマジック』では撮影監督として参加している。

出演アルチュール・アッシュArthur H

出演
アルチュール・アッシュ
Arthur H

1966年フランス・パリ生まれ。シンガーソングライター。父親はジャック・イジュラン。 12歳の頃から音楽活動を始める。16歳でアメリカに渡る。1990年『Arthur H』でデビュー。“フランス版トム・ウェイツ”“セルジュ・ゲンスブールの後継者”などと形容され注目を集める。 オリジナル・ラヴ、カヒミ・カリイ など日本人アーティストともコラボレーションしている。

COMMENT

敬称略・順不同

人の心の淀んだ傷の下には、人類全てが等しく共有する果てしなく澄んだ水がある。それこそが愛であり芸術なのだろう。ホドロフスキーの優しいまなざしが全編に音楽のように流れていて、包まれるようだった。

吉本ばなな

作家

まさに現代の魔術師!観ているこちらが魔法にかけられた気分。

手塚眞

ビジュアリスト

ここに展開されている映像は、極めてオーソドックスで正当なセラピーだと私には映る。
つまり「生まれ直し」だ。あなたも今夜、湯船に浸かる時、胎児に戻って羊水に浮かんでいる姿を想像してみることだ。その時あなたは、この世に望まれて生まれて来たことを知るかもしれないのだ。

名越康文

精神科医

いままでのホドロフスキーの作品は全て彼から見える『世界の断片』であった。その断片を繋ぎ合わせていく、縫い合わせていく手法がサイコマジックであり、それは世界の中に存在する僕たちを癒す行為でもある。ホドロフスキーの表情は慈愛に満ち、彼に抱かれた僕らは皆、いずれあの母親のように歌いだすことだろう。

ダースレイダー

ラッパー

無菌のサロンでお気軽な再生をうながす現代が直視すべき、神も悪魔も善悪やカルトも混雑した真の人の姿がそこにうつされている。その混乱と向き合うホドロフスキーの手つきは抜群に怪しいが、そもそも人間とは怪しい存在だったはずだ。わたしの中の未使用の細胞がざわっと立ち上がる音を確かに聞いた。それはディストーションのかかった歪んだ音だった。

マヒトゥ・ザ・
ピーポー

数年前、ホドロフスキーにタロット・リーディングをしてもらったとき、1年分の汗がでたが、あれはこちらの無意識が彼の手で雑巾のように絞られて出た分泌物ではないか、と今思える。あれは手づかみ、わしづかみのサイコセラピーだった。レシピなしのハプニング仕様。以後、余計な覚醒もあり、とりわけ・・・。

滝本誠

映画評論家

何故私がホドロフスキーを信仰しているのかが解明された。私自身も無意識にサイコマジックのセラピーで救われている被験者だった。固定概念を破壊した先の自我の解放、"贈与"することで関係性が生まれ、世界の一部になれること。自分にとっては人生、表現の指針となる、定期的に見るべき処方箋映画。

東佳苗

rurumu:/縷縷夢兎デザイナー

おばあちゃんが「わたし演技できてる?これで正解?」みたいなシーンで涙がでた。そのシーンを使った監督の勇気がなければ、ほんとうの自由を、みている側は得られないことをホドロフスキーさんは感じたのではないだろうか。制御不能な天然の哀しみ。ほんとうの姿を垣間みせてしまう映画の破綻。

どこかの宇宙タイミングで、表現者はそれぞれの方法で、地上に生きれば生きるほど、地上の悲しみに深くおのおのの感性でふれざるを得ない。映画に食い破られるように生きてきた彼の姿がスクリーンの隅々にあらわれる度に、マジックを最後まで信じつづけるのをやめない強い意志と、宇宙のはてしない無慈悲がせめぎあうのを感じた。地上の魔法を解くカギをあえて忍びこませた意図は、次作への予兆なのかもと感じさせた。

ご本人が、ある時から解放がはじまっていったことを映画のなかでうちあけていたように、映画という肉眼や耳を意識せざるを得ないジレンマを超えて、現実がもっともっと流れこむ作品がこの先あらわれてくることを予感したし、あふれでる宇宙の魂の意欲の権化すぎるし、集大成ではおさまらないメイクラブなインスピレーションに満ちた作品。

地球はいつでも悲しみを生きにくる星だったし、どんなに惨めな人生をしいられても、その底の底の頂点に愛は存在することを、ホドロフスキーさんのハグとメイクラブで力強くみせつけられてみてください。

きっとこの先もおおくの映画を、ノリで未来永劫滅亡させつづけるのでしょう。

プリミ恥部

宇宙LOVEアーティスト

TRAILER

監督・脚本:アレハンドロ・ホドロフスキー
出演:アレハンドロ・ホドロフスキー、アルチュール・アッシュほか
(2019年/フランス/104分/フランス語、スペイン語、英語/1:1.85/5.1ch)
日本語字幕:比嘉世津子 デザイン:中村友理子(HOOH) コラージュ:河村康輔
配給・宣伝:アップリンク
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