映画『トム・アット・ザ・ファーム』

Director

監督 & 主演 グザヴィエ・ドラン

1989年にモントリオールで生まれたグザヴィエ・ドランは、6歳で俳優としてキャリアをスタートさせ、数多くのテレビドラマや映画に出演し、また声優として吹き替えの仕事も行ってきた。彼が世界的な注目を集めたのは、主演も兼ねて19歳で撮った初監督作品『マイ・マザー』が、2009年の第62回カンヌ国際映画祭監督週間部門で3つの賞を受賞してからである。『マイ・マザー』は30ヵ国以上で劇場公開され、第82回アカデミー賞外国語映画賞にカナダの公式出品作品としてエントリーされた。また、ロッテルダム国際映画祭、ザグレブ映画祭、ナミュール国際フランス語圏映画祭、イスタンブール国際映画祭、レイキャビック国際映画祭、バンクーバー国際映画祭などで数々の賞に輝いた。

監督第2作目の『胸騒ぎの恋人』は、2010年の第63回カンヌ国際映画祭ある視点部門でプレミア上映され、シドニー映画祭の公式コンペティション部門で大賞を受賞した。第3作目の『わたしはロランス』は2012年の第65回カンヌ国際映画祭ある視点部門に選ばれ、メルヴィル・プポー演じる主人公の恋人役を務めたスザンヌ・クレマンがそのたくましくエモーショナルな演技により優秀女優賞を受賞した。続く第4作目となる本作『トム・アット・ザ・ファーム』で、2013年の第70回ベネチア国際映画祭において国際批評家連盟賞を受賞。多数の批評家から「ドランの最高傑作」と評された。そして第5作目となる『Mommy(原題)』は、2014年の第67回カンヌ国際映画祭コンペティション部門において、ジャン=リュック・ゴダール監督『Adieu au langage』と共に、見事、審査員特別賞を受賞した。

自身の監督作品以外で俳優として出演している映画には、パスカル・ロジェ監督のスプラッター『マーターズ』(殺害される一家の長男役)、チャールズ・ビナメ監督のスリラー『Elephant Song』(失踪した精神科医を最後に目撃した患者役)、ダニエル・グルー監督のヒューマンドラマ『Miraculum』(白血病で輸血を拒否する「エホバの証人」信者の青年役)などがある。また、映画のフランス語吹替版の声優としては、『ハリー・ポッター』シリーズのロン・ウィーズリー役、『トワイライト・サーガ』シリーズのジェイコブ・ブラック役、マシュー・ヴォーン監督『キック・アス』(2010)のデイヴ・リゼウスキ役、アン・リー監督『ライフ・オブ・パイ』(2012)のパイ・パテル役などを務めている。

現在は、初の英語作品となる長編第6作目『The Death and Life of John F. Donovan』の脚本を書き終え、製作準備中である。

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