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トーマス・ギスラソン

Tomas Gislason

1961年生まれ。

1982年にThe National Film School of Denmarkで編集者としての教育を受け、『ONCE A COP』(1987) 、『BUSTER'S WORLD 』(1984)、そしてラース・フォン・トリアー監督作品『エレメント・オブ・クライム』(1984)を含む、最も人気を博したデンマーク映画数本の編集を手がけた。以降、ギスラソンは、フォン・トリアー監督と共に仕事を続け、『ヨーロッパ』(1991)および『キングダム』(1997)で編集および脚本を担当。

監督としては、詩人で映画監督のヨーゲン・レスを描写した『FROM THE HEART TO THE HAND』(1994)、アメリカの右翼の過激派についての映画『THE PATRIOTS』(1997)、そしてスターリン統治時代に失踪した2名のデンマーク人共産党員を捜索する、デンマークの政治家オル・ソンのロシア旅行についての物語『THE ULTIMATE PUNISHMENT』(2000)を製作。3作品全てが、Danish Robert Awardのベストドキュメンタリー賞を受賞している。

2001年には、長編映画『P.O.V. - POINT OF VIEW』(2001)を公開。

『OVERCOMING - ツール・ド・フランス 激闘の真実 -』は、ここ数年におけるトーマス・ギスラソンの久々のドキュメンタリー映画である。

ビャルネ・リースのように非常にシャイな人物が、撮影隊がついていくことを承諾し、我々が何にでもどこにでも加わることを許可してくれたとき、私は大変嬉しかった。我々は少し離れた所から、日常のトレーニング、トレーニングキャンプ、レース中、そしてツール・ド・フランス開催中、ずっとチームを追った。その冒険全体で、我々が関与できるとは思ってもみなかった場面や状況に遭遇し、一生忘れられない経験をさせてもらった。そして、私のキャリアにおいてこれ程興奮を覚えたことはなかったし、自分が撮っている人々から、これ程までにみなぎるパワーを感じたことはなかった。この規模と焦点距離でチームの映画を製作するというのは、本当に高揚感がある。

――全ての登場人物は、事実に基づいて配役されている。正に眼前で繰り広げられる、古典映画『戦略大作戦』(1970)を見ている様だった。チームCSCは、この作品にあらゆる優れた映画に必要なヒーローと敵役、勝者と対抗者を十分に送り込んでくれた。同時に、この映画は夢、単純な理念および使命についての物語であることに変わりはない――我々みんなを奮起させる物語だ。