• ラビッツ・ムーン

ラビッツ・ムーン

1950年、1971年/カラー/17分

ベースとなっているのは、コメディア・デラルテというイタリアの仮面即興劇で、そこに「月にウサギがいる」という日本の昔話がモチーフになっている。満月に思い焦がれる悲劇的なピエロが主人公で、彼が憧れている娘コロンビーヌと悪魔が変装したペテン師のハーレクインのコミカルな三角関係と神話的なモチーフが同居している。1950年にアンガーがジャン・コクトーに憧れフランスに滞在している際に撮影されたものの、その後日の目を見ず未完成のままだった。1971年に完成した16分のバージョンでは当時のドゥーワップが多用されている。1979年の7分のバージョンはスタン・ブラッケージの息子ロークの誕生会で上映するために、倍速でコマ飛びしでプリントした素材を使用し、よりコミカルさが強調されている。繰り返し使用されている音楽は、A Raincoatというバンドの「It Came In The Night」。