監督について

DUNE

PROFILE

DUNE

FRANK PAVICH
フランク・パヴィッチ

ニューヨーク生まれのクロアチア系アメリカ人。現在はスイス・ジュネーブ在住。1995年、22歳の時に、ニューヨーク・ハードコアシーンを追ったドキュメンタリー『N.Y.H.C.』を監督した。その後、『ダイ・マミー・ダイ』(2003)(2003年サンダンス映画祭審査員特別賞 受賞)に共同プロデューサーとして参加。そして、映画やテレビのプロジェクトに携わってきた。『ホドロフスキーのDUNE』は彼の初の劇場上映作品であり、2013年カンヌ国際映画祭、監督週間でプレミア上映され、その後も多くの映画賞を受賞している。


DIRECTOR‘s NOTE

アレハンドロ・ホドロフスキーが自分ならではの『DUNE』を作ろうと制作に乗り出す物語は、多くの理由で興味をそそられた。毎日、数え切れないほどの映画プロジェクトが中止となり、陽の目を見る前に消えていく。通常、残っているものは、脚本の草稿だったり、出演希望者リストであったりする。完成間近だったプロジェクトに遭遇することはほとんどない。

ホドロフスキーと彼の『DUNE』の物語は、独創性と創造性を垣間見ることができる魅力的なものであり、飽くなき夢の追求とそこに欠かすことのできない芸術の物語である。そしてこれは失敗の物語ではない。実際には、その反対である。実現性の低い作品を大成功へ導くために、つきることのない想像力で推し進めようとしたアーティストの物語である。その気概は80代になった今も変わらない。
これは類を見ない野望を描いた映画である。彼はアートを通して世界を変えようという野望を抱いていたのだ。