“ピンク映画”とは?

数百万という低予算、平均3日程度の短製作日数という厳しい条件で製作される、東映、東宝、松竹、大映、日活というメジャー会社以外の独立系の会社が製作した成人向けの商業映画の総称。“カラミ”の回数など制約はあるものの、監督が比較的自由に撮れるため、数々の優れた映画作家を輩出している。
新東宝映画オーピー映画(大蔵映画)新日本映像(エクセスフィルム)、国映(製作のみ。配給は新東宝映画に委託)が代表的な製作、配給会社。性描写を描いている点ではアダルトビデオや欧米のポルノ映画と同じだが、アダルトビデオや欧米のポルノではあまり重要視されない作家性やドラマ性と、性描写などの「エロ」が同居するという、世界の映画史の中でも、日本の映画史のなかでも「ピンク映画」とは特異な存在なのである。現在では情報誌にも上映情報が掲載されなくなり、ピンク映画を上映するピンク映画館も都内に10数軒しかなくなってしまったが、日本の年間映画製作本数の3分の1を占める約90本もの新作が製作、公開されている。

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