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サウナのあるところ
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2010年/フィンランド/フィンランド語/ドキュメンタリー/81分/原題:Miesten vuoro /英題:Steam of Life
監督:ヨーナス・バリヘル、ミカ・ホタカイネン
後援:フィンランド大使館、公益社団法人 日本サウナ・スパ協会
提供・配給:アップリンク+ kinologue ©2010 Oktober Oy.

2021年3月7日(日)サウナの日、DVD発売

【収録内容】
本編81分+劇場予告
【仕様】
カラー/16:9ビスタサイズ/本編81分/片面1層/1枚組/MPEG-2/ピクチャーレーベル
価格:¥4,180(税込)
品番:ADX-1158S

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Trailer 予告編

Introduction イントロダクション

日常的にサウナを楽しむ国・北欧フィンランド

自宅やオフィス、夏小屋のプライベートなサウナから、湖畔や街なかの公衆サウナまで、約550万人の人口に対して約300万個のサウナがあるという、サウナの本場・北欧フィンランド。日本人にとってのお風呂のように、フィンランドの人々にとって、サウナは生活の一部であり欠かせないものである。本作では、50年以上連れ添った夫婦、父と3人の息子、気のおけない友人同士、仕事終わりの会社仲間、スイミングプールに集うシニア、クリスマスのお務めを終えたサンタ、寒さを凌ぐホームレスなど、様々な人たちがサウナで過ごす姿が描かれており、フィンランドの人たちのサウナの楽しみ方を垣間見ることができる。また、フィンランドの春夏秋冬の美しい自然とともに、DIYによるキャンピングカー型や電話ボックス型のサウナ、そのまま湖に飛び込めるサウナ小屋、首都ヘルシンキや2018年に世界サウナ首都を宣言したタンペレの歴史ある公衆サウナ、ランプを吊るしたテントサウナなど、バラエティに富んだユニークなサウナが登場する。世界幸福度ランキング2年連続1位(2018/19)となったフィンランドの人々の日常に、サウナのある“幸せ”を感じさせる異色ドキュメンタリーである。

サウナで人生の悩みや苦しみを吐露し号泣するフィンランドの男たち
“サウナのあるところ” には、「なにか」がある?

本作の登場人物は、フィンランドの名匠アキ・カウリスマキ監督作品で見られるような、シャイで寡黙と言われるフィンランドの男たち。そんな彼らが、身も心も裸になったサウナでは、自然と語り始める。離ればなれになった娘のこと、犯罪歴のある昔の自分のこと、かけがえのない“親友”のこと、先に逝ってしまった妻や子供のこと・・・心の奥底にずっとしまっていた人生の悩みや苦しみ、大切な想いを打ち明け、次々と号泣する。サウナはどんな人にでも平等な場であり、ロウリュ(蒸気)に包まれながら語られる14のエピソードは、重くて辛いものも多い。汗と一緒に涙を流して自分自身を取り戻し、語り合った者同士の絆を強くさせるような「なにか」が、サウナにはあることが伝わってくる。究極の癒しやデトックスの場としてだけでなく、日本の銭湯・温泉文化にも通じる、人とのつながりを感じる場としてのサウナの魅力を再発見する。

Story ストーリー

熱くなったサウナストーンに水がかけられ、
ジュワっという音とともに、サウナにロウリュ(蒸気)が立ち上がる。
ロウリュに包まれながら、フィンランドの男たちは語り始める。

継父からの虐待、犯罪歴のある昔の自分、離れ離れになった娘、止められなかった職場での事故、先に逝った妻や幼い娘・・・これまで話すことができなかった人生の悩みや苦しみ。
子どもが生まれた喜び、かけがえのない“親友”との友情、老いてからの出逢い、祖父が薪に込めていた祖母への愛・・・じんわりと伝わってくる大切な人への想い。

「話すべきじゃなかったかな」
「話していいさ」
ロウリュはやさしく男たちの心を溶かし、絆を深めていく。

Comments コメント

(敬称略・五十音順)

フィンランド男子たるもの、辛いことがあっても泣いてはいけない。黙って酒を飲むだけだ。だけど、本当はこんなにみんな泣き虫だった。サウナで男たちの心は蒸かされ、汗と一緒に人生の哀しみも流れていく。かつて男だけのこんなに優しくて素直な映画があったろうか。サウナという安全な巣の中で、男たちはみな子リスのようだ。
小林聡美(俳優)
サウナの中で人は素直になり、心を開き、自分を取り戻す。
そう、サウナは心のふるさとのような存在。
ひとりひとりの幸せを噛みしめる場所。
そんなサウナを単なるブームで終わらせてはいけない、

と、この作品を観て思いました。
小山薫堂(放送作家・脚本家、湯道提唱者)
カレーを共に食べ、共に汗をかくと生まれる一体感はサウナのそれに通じるものがあるような。人生は七転び八起き。良いことばかりではないものです。カレーが美味しい上野の某サウナに行き、友と語り合いたくなりました!
スパイシー丸山(カレー研究家)
人ほど汗をかく生き物はいない。
悲しみが喜びが、サウナの中で汗となって流れ出す。
サウナの中で人は浄化されて行く。

そうです、悩みは一つの生理現象なのです。
名越康文(精神科医)
サウナはサウナでも日本のそれとはまた全然違うんだなぁ!ロウリュを浴びながら汗を流していると、胸の奥にしまい込んできた本音も、ふと誰かに話してみたくなるのかな。こんなにも親密でプライベートな裸同士のやりとりを映像におさめられたことに拍手を送りたい。さいごの歌も含めて、一人一人の人生、悲喜交交ひきこもごもが垣間見えるようでした。
原田郁子(クラムボン)
「サウナで治らない病は治らない」ということわざもあるフィンランド。悲しみで傷ついた心をも癒そうと人々はサウナに来るのかもしれない。「蒸気を足してくれ」という言葉の重みよ。そして映像美で描かれる様々なバリエーションのサウナにサウナストーン!蒸気!サウナーにとってはもはやグルメ映画だ。
ヒャダイン(音楽クリエイター)
人生には大きな悲しみがある。もはや引き返すことのできないような悲しみ。大人とは、つつましくそれに耐えていく人たちのことだ。
でもたまには、悲しみを誰かに分かちあってほしい。たとえばサウナで。
観終わったときに、登場人物たちがみんな笠智衆に思えてきた。これは悲しみを知る大人だけがわかる映画だ。
四方田犬彦(映画・比較文学研究)

Director 監督

ヨーナス・バリヘル(監督/プロデューサー)

Q1
映画のアイディアはどこから生まれたのでしょうか?
この映画のアイディアは、私がタンペレの公衆サウナで、ある2人のプライベートな会話を聞いたときに生まれました。話していたのは男性で、彼らは、その会話に耳を傾けている人たちがいるかもしれないという事実を気にかけていませんでした。そして私は、フィンランド人男性が、心の底からの気持ちを話す稀な場所、それがサウナだとわかり、これは、ミカと私が映画にするべきものであることを実感したのです。
Q2
映画に出てくる人々やサウナはどのように選びましたか?
私たちはあらゆる年齢層のフィンランド人男性を探し、彼らの誕生から死までの話を語って貰うことにしました。映画の中のサウナは、主に登場した男性たちによって選ばれています。彼らの多くは、それぞれにとって意味のある、特定のサウナでの撮影を望みました。
Q3
最後に全員が歌う唄にはどのような意味があるのでしょうか?
かつて父親が子供に子守唄を歌うシーンの夢を見たことがありました。ちょうどミッコ・リッサネンのシーンを撮影しているとき、彼が「リスの歌」を歌ったことで閃きました。もしこの映画の男性出演者全員が、ミッコの子供と声を揃えて、あのように讃えるようにこの唄を歌ったらどうなるか、ひそかに考えました。そして、フィンランド北部の労働者階級の合唱団を使うことができました。それは廃れていて、ある種の物哀しさを感じさせたのです。なので、あの唄にはたくさんの意味が込められています。オリジナルは、スウェーデンの一部だった時代のフィンランドで、最初にフィンランド語で書いた作家アレクシス・キヴィの詩です。また、あの唄の素晴らしい瞬間もありました。ある劇場主から聞いたのですが、上映時に映画に合わせて全ての観客があの唄を歌うという驚くべきことがおこったんです。
Q4
フィンランド人にとってサウナとは?
フィンランドの男性でも女性でも、特に田舎の人々にとって、サウナは多くの意味があります。彼らにとって、サウナは肉体的に自分を清潔にするためだけでなく、精神的なものでもあるのです。誰かをサウナに誘うということは、深い会話をしたいという暗黙の了解のような意味があると言えるでしょう。
Q5
この映画の公開時(2010年)の反応はどうでしたか?
フィンランドのいくつかの劇場では1年以上、上映が続きました。この映画はフィンランド人にとって非常に重要なものになり、ドキュメンタリーの分野で多くの記録を破りました。その理由は、おそらく公開のタイミングが良かったのです。(あまり感情を表わさない)フィンランド人男性が自分の感情を示す時が来たのでしょう。

監督プロフィール

ヨーナス・バリヘル Joonas Berghäll

最も国際的に評価されているフィンランド人監督の一人であり、本作でヨーロピアン・フィルム・アワードにノミネートされ、2010年米国アカデミー賞外国語映画賞のフィンランド代表にも選ばれた。本作や “Mother’s wish”(2015)、最新作の “The Happiest Man on Earth”(2019)などは、個人的な視点から社会課題に焦点をあてている。またプロデューサーとして、” Kaisa’s Enchanted Forest” (2016) 、2018年のフィンランド映画祭で上映された ”Entrepreneur”(2018) や “Baby Jane”(2019)なども手掛けている。

ミカ・ホタカイネン Mika Hotakainen

1998年からテレビ・映画業界で働いており、2004年にフィクションの監督としてヘルシンキ応用科学大学を卒業。本作の他に、“Freedom to Serve”(2004)、“Ristin Tie”(2016)といった長編や ”Visitor”(2006)、“Loose Wires”(2010)といった短編ドキュメンタリーを制作している。

Cast & Staff キャスト / スタッフ

Cast

カリ・テンフネン
ミッコ・リッサネン
ペルッティ・パロカンガス
スロ・カルヤライネン
ミカ・ワッリウス
ヤンネ・プトゥコネン
エンシオ・マントゥカンガス

Staff

監督・脚本:ヨーナス・バリヘル、ミカ・ホタカイネン
撮影:へイッキ・ファルム F.S.C.、ヤニ・クンプライネン F.S.C.
編集:ティモ・ペルトラ
音響:クリスチャン・クリステンセン
音楽:ヨーナス・ボーリン
製作:ヨーナス・バリヘル
製作会社:オクトバー

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