Cast

マイケル・アリーン

グザヴィエ・ドラン

XAVIER DOLAN

1989年、カナダ、ケベック州モントリオール出身。4歳で俳優としてキャリアをスタートさせ、以降数多くのテレビドラマや映画に出演し、また声優として吹き替えの仕事も行った。

2009年、自らが脚本、監督、主演を務めた長編デビュー作『マイ・マザー』を製作。カンヌ国際映画祭 監督週間の上映作品に選ばれたほか、世界各地の国際映画祭で名誉ある賞を多数受賞している。『マイ・マザー』はまた、第82回アカデミー賞外国語映画賞のカナダ代表に選出された。監督第2作目の『胸騒ぎの恋人』は、2010年の第63回カンヌ国際映画祭の「ある視点」部門でプレミア上映され、シドニー映画祭の公式コンペティション部門で大賞を受賞した。第3作目の『わたしはロランス』は2012年の第65回カンヌ国際映画祭の「ある視点」部門に選ばれ、スザンヌ・クレマンが優秀女優賞を受賞。続く第4作目となる『トム・アット・ザ・ファーム』で、2013年の第70回ベネチア国際映画祭で国際批評家連盟賞を受賞。第5作目となる『Mommy/マミー』は、第67回カンヌ国際映画祭コンペティション部門において、ジャン=リュック・ゴダール監督『さらば、愛の言葉よ』と共に見事、審査員特別賞を受賞した。

ドランは俳優として本作以外にもパスカル・ロジェ監督の『マーターズ』(07)、ジェイコブ・ティアニー監督の『Good Neighbours』('10)、ダニエル・グルー監督(別名:Podz)の『Miraculum』('13)などに出演している。 現在は、長編第6作目となる『The Death and Life of John F. Donovan』の脚本を書き終え製作準備中である。

トビー・グリーン院長

ブルース・グリーンウッド

BRUCE GREENWOOD

1956年、カナダ、ケベック州出身。プロ・スキーヤーを目指してスイスに渡るが、大学で学ぶうちに演技に興味を抱く。TVドラマ出演などで評価を得、アトム・エゴヤン監督の『エキゾチカ』('94)と『スウィート・ヒアアフター』('97)で国際的にも知られるようになる。'09年J・J・エイブラムス監督の『スター・トレック』にクリストファー・パイク提督役で出演。'11年の続編『スター・トレック イントゥ・ダークネス』でも引き続きパイク提督を演じた。

その他の出演作に『デビルズ・ノット』('13 アトム・エゴヤン)、『プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命』('12 デレク・シアンフランス)、『奇人たちの晩餐会 USA』('10 ジェイ・ローチ)、『アイム・ノット・ゼア』('07 トッド・ヘインズ)、『13デイズ』('00 ロジャー・ドナルドソン)、『デジャヴ』('06 トニー・スコット)、『カポーティ』('05 ベネット・ミラー)、『アイ,ロボット』('04 アレックス・プロヤス)などがある。

スーザン・ピーターソン

キャサリン・キーナー

CATHERINE KEENER

1959年、アメリカ、フロリダ州出身。1986年に『きのうの夜は…』で映画デビュー。以後、トム・ディチロやスパイク・ジョーンズなどが監督するインディペンデント系作品で活躍1。2001年に『マルコヴィッチの穴』、2006年に『カポーティ』でそれぞれアカデミー賞助演女優賞候補となっている。出演作に『アウト・オブ・サイト』('98 スティーヴン・ソダーバーグ)、『8mm』('99 ジョエル・シューマカー)、『イントゥ・ザ・ワイルド』('08 ショーン・ペン)、『はじまりのうた』('14 ジョン・カーニー)などがある。

オリビア

キャリー=アン・モス

CARRIE-ANNE MOSS

1967年、カナダ、バンクーバー出身。アメリカ演劇芸術アカデミーで演技を学ぶ。20歳でヨーロッパに移りモデルとなる。スペインにいた時に、バルセロナで撮影されていたアメリカのテレビシリーズに出演したことがきっかけで数本のドラマに出演。

1999年に映画『マトリックス』のトリニティ役に抜擢され、一気に脚光を浴びる。2000年の『メメント』でインディペンデント・スピリット賞助演女優賞を、2006年公開の『スノーケーキを君に』でジェミニ賞助演女優賞を受賞。ほか、出演作に『サイレントヒル: リベレーション3D』('12 マイケル・J・バセット)、『ポンペイ』('14 ポール・W・S・アンダーソン)。

ジェームズ・ローレンス医師

コルム・フィオール

COLM FIORE

1958年アメリカ、ボストン出身。子供の頃カナダに移り、以降カナダに住んでいる。英語とフランス語を駆使し、国境を越えて、またテレビに映画に舞台にとメディアを問わず縦横無尽に活躍している。主な作品に『グレン・グールドをめぐる32章』('93 フランソワ・ジラール)、『フェイス/オフ』('97 ジョン・ウー)、『シカゴ』('02 ロブ・マーシャル)『チェンジリング』 ('08 クリント・イーストウッド)、『エージェント:ライアン』('14 ケネス・ブラナー)、『アメイジング・スパイダーマン2』('14 マーク・ウェブ)などがある。


Filmakers

監督

シャルル・ビナメ

CHARLES BINAMÉ

1949年、カナダ、ケベック州出身。ジニー賞で最優秀監督賞を受賞した『ロケット』('05)、ケベック州で空前の大ヒットを記録した『Seraphin, Heart of Stone』('02)を含む、計8本の長編作品を撮っている。『Eldorado』('95)を含む3部作は、カンヌ国際映画祭監督週間の特別賞を受賞したほか、監督及びキャストが数々の国際映画賞を受賞している。

それ以前にロンドンを拠点としていた頃は、ヨーロッパ向けのCM監督として3年間、キャリアを積み、テレビシリーズの『Blanche』('93)と『Marguerite Volant』('96)で、国際テレビ映像フェスティバルの金賞と銀賞を受賞した功績がある。 ほかの監督作にテレビ映画『Cyberbully』('11)、ミニ・シリーズの『H2O』('04)、『合衆国崩壊の日』('08)、『Flashpoint』('08~'11)の数エピソード、『Being Human』('11~'12)、『Durham County』('11)があり、これらはすべて、DGC(Directors Guild of Canada)賞、Gemini賞、Canadian Silver Screenでノミネートされており、また、国際司法裁判所で(首席検事を務めた)ルイーズ・アーバーについての『Hunt For Justice』 ('04)はGemini賞でBest TV Filmを受賞している。

監督のことば

ニコラス・ビヨンによる、リアルで秀逸な原作にインスパイアされて生まれた『エレファント・ソング』は、ストーリーのフタを開けると、そこにまた別のストーリーが展開し、まるでロシアのマトリョーシカを思わせる入れ子構造になっている。それは、精神科病棟に押し込められて暮らす、マイケル青年の心を映すメタファーなのだ。巧みな行動のフタを開けると、次の新たな行動が見えてくるようにしながら、マイケルはグリーン院長を多方面に広がる旅へと連れ出す。観客はやがて、院長とマイケルが交わす激しく、親密な会話から、病院内で起きた過去の出来事を知り、またその過去の出来事が、何よりも現在に多大な影響を与え、さらには未来にも与えるであろうことを知る。マイケルの旅はまた、真実を明らかにする土台を作る。それと同時に、愛情を知らずに育った孤独な彼が、皮肉にも、愛を育む土台をも作ることになる。僕は思う。これこそが、この映画に秘められた美である、と。

原作、脚本

ニコラス・ビヨン

NICOLAS BILLON

1978年、カナダ、オンタリオ州オタワ出身。本作『エレファント・ソング』は彼の最初の戯曲で、2004年にストラトフォード・フェスティバルで初上演された。パリのプチ・モンパルナス劇場で100回以上も上演し、最新の舞台では、モリエール賞2部門にノミネートされた。長編映画化にあたり、ビヨン本人が脚本を書き、カナダのアカデミー賞、カナダ・スクリーン・アワード2015で脚色賞を受賞した。 他、彼の戯曲と翻案作品は、多数舞台化、映画化されており、数々の賞を獲得している。