レベッカ・ドレイファス

ニューヨーク在住のドレイファスは、SUNYのパーチェイス・カレッジで映画の学士号を取っている。 これまでに、サンダンス・フィルム・インスティチュート、ニューヨーク州アート・カウンシル、ニューヨーク・ファウンデーション・ フォア・ジ・アーツ(NYFA),ジェローム・ファウンデーション、ロイ・W・ディーン・ファウンデーション、ウィメン・イン・フィルム といったさまざまな団体から、奨励金や助成金を受けている。彼女の最初の受賞長編作『Bye-Bye Babushka』は、ニューヨーク及び ロサンジェルスの批評家たちの絶賛を浴び、合衆国のPBSを含む、世界25カ国以上のテレビ局で放映された。二つの短編『The Waiting』と 『Roadblock』も、世界中で賞を受け、国内外でテレビ放映されている。現在彼女が取り組んでいるのは、ロマンチック・コメディだ。

 

監督の言葉

 1990年3月18日、私のもっとも愛する絵画が盗難に遭いました。それはフェルメールの『合奏』です。巨匠が遺したたった35作のうちの1作、がボストンのイザベラ・スチュワート・ガードナー美術館から持ち去られてしまったのです。その晩は、ほかにも多くの絵画が盗難に遭いました。その中にはレンブラントの唯一の海の絵も入っていました。この盗難事件は、アメリカ史上最大の美術品盗難事件に発展しました。

 10年以上経って、私はいまだに自分が、その絵の持つ捕らえどころのない魅力だけではなく現在のありかに関することまで、絵にまつわる多くの謎に取りつかれていることに気がつきました。この映画は、絵画がその後どうなったのかを突き止めようとした2年間の成果です。その過程で、私はさまざまな変わった人たちに出会い、世紀と大陸によって引き離されていたその人たちを、偉大な芸術作品によって呼び覚まされる情熱でひとつにすることができました。結果として私は、自分のこの映画が、共通するところのないその人たちに、時のない絵画の中に永遠に住まう場所を与えたように感じています。