映画『リアリティのダンス』


リアリティのダンス

ホドロフスキーについて


1929年2月17日、チリのボリビア国境近くの町トコピージャで、ロシア系ユダヤ人の子として生まれる。12歳の時に首都サンティアゴへ移住。サンティアゴ大学で心理学・哲学を学んでいたがマルセル・カルネの『天井桟敷の人々』に感動し、パントマイムにのめり込んだ後大学を中退。

1953年に渡仏し放浪生活を送る中でマルセル・マルソーと出会い、『The Mask』『The Cage』という戯曲を共著、モーリス・シュバリエの芝居を演出した。パリでの学生時代にはトーマス・マン原作で実験映画を一本撮り、ジャン・コクトーに絶賛されたこともある。

1960年代中頃に、パリで作家フェルナンド・アラバールを知り、1967年、メキシコに移り、アラバールの原作で処女作『ファンド・アンド・リス』(FANDO Y LIS)を完成。続く1970年に代表作『エル・トポ』(EL TOPO)を発表する。「エル・ジン」というスペイン語圏の映画を扱うミニシアター系映画館での深夜上映で、噂が噂を呼び大ヒット、映画を観たジョン・レノンが虜になり、『エル・トポ』と次作の『ホーリー・マウンテン』(THE HOLY MOUNTAIN)の配給権を45万ドルで買い取ったという逸話もある。1973年に『ホーリー・マウンテン』を発表。1975年4月まで続くロングランを達成する。

1975年、ミシェル・セドゥーのプロデュースによりフランク・ハーバートのSF小説『DUNE』の企画をスタート。イギリスの画家クリス・フォスやフランスのコミック作家メビウス(ジャン・ジロー)、画家でデザイナーのH・R・ギーガー、『ダーク・スター』の特殊効果を担当し、後に『エイリアン』の企画、脚本を手がけたダン・オバノンを特殊効果のスーパーバイザーに配し、ミック・ジャガー、サルバドール・ダリの特別出演もかなったところで、金銭面の問題からプロジェクトが頓挫してしまう。1980年にはインドを舞台にした『TUSK』(日本未公開)を製作するが、映画祭で1,2度上映されただけで、ソフト化もされていない。1989年には、初めて商業映画を意識したという『サンタ・サングレ/聖なる血』を発表。1990年、ピーター・オトゥールとオマー・シャリフ出演のスター大作『The Rainbow Thief』(日本未公開)を発表。

1980年以降、バンド・デシネ(フランスのコミック)の原作者としてメビウスと『アンカル』を、フアン・ヒメネスと『メタ・バロンの一族』などを共作。フランスではホドロフスキー原作によるコミックが30シリーズ以上も出版されており、現在も複数のタイトルを並行して書き続けている。また、サイコマジックやタロット・リーディングの活動もしており、毎週水曜、パリのとあるカフェではホドロフスキーによるセラピーを無料で受けられるという。また、「twitterは21世紀の芸術装置だ」と語り、毎日正午から1時間15ツイートすることを日課にしており、『ホドロフスキーの365日ツイッター:知恵編』という書籍も出版されている(以下、「愛編」「政治編」と続刊予定)。

2013年、本作『リアリティのダンス』を発表。2014年現在、次回作『フアン・ソロ』の製作準備中。独自の心理療法にも取り組んでいる。


FILMOGRAPHY

  • 2013 『リアリティのダンス』
  • 1990 『The Rainbow Thief』(日本未公開)
  • 1989 『サンタ・サングレ/聖なる血』DVD | Blu-ray
  • 1980 『Tusk』(日本未公開)
  • 1973 『ホーリー・マウンテン』DVD | Blu-ray
  • 1970 『エル・トポ』DVD | Blu-ray
  • 1968 『ファンド・アンド・リス』(日本未公開)

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