

監督・撮影:タラ・ハディド
出演:カディジャ・エルグナド、ファティマ・エルグナドほか
(モロッコ、カタール/2017年/86分/1:1.85/アマジグ語/原題:TIGM N IGREN)
字幕翻訳:松岡葉子 配給・宣伝:アップリンク
秋、収穫の季節には畑仕事をして、森でイチヂクを摘む。冬、厳しい寒さの中、火の周りで身を寄せ合う。春、アーモンドやりんごの花が咲き、世界がふたたび色づく。夏、緑と太陽の光あふれる美しい季節の中、ラマダンが明け、盛大な宴が始まる――。
弁護士を夢見る少女カディジャとその姉のファティマは、モロッコの山奥で暮らすアマジグ族の姉妹。自然の恩恵を受け、数百年もの間ほとんど変わらない生活を送っている。そんな日々の中、ファティマが学校を辞め、結婚することになる。カディジャは、大好きな姉と離ればなれになってしまう寂しさ、そして自分も姉のように学校を卒業できないかもしれないという不安を募らせていく。 本作は、アトラス山脈の四季折々の自然風景と、彼女たちの慎ましくも美しい日々の営みをありのままに記録したドキュメンタリー。第67回ベルリン国際映画祭フォーラム部門最優秀ドキュメンタリー賞にノミネート他、世界の映画祭に出品され話題を呼んだ。
監督は、世界的建築家ザハ・ハディドを叔母に持ち、写真家としても活躍するタラ・ハディド。本作の製作にあたり、5年にわたって現地に通いアマジグ族と寝食をともにしている。被写体に寄り添った親密な映像は、なくなりつつある生活様式や文化を記録しながら、人々の内なる想いをも紡いでいく。
