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スヴァールバル種子貯蔵庫(ノルウェー)

北極点からおよそ1,300km南に位置する、ノルウェーのスピッツベルゲン島にある、最大300万種の種子を保存可能とされる冷凍地下貯蔵庫。

キャリー・ファウラー
グローバル作物多様性トラスト
エグゼクティブ・ディレクター

「この施設の目的は、すべての種を保管し有事に必要な種子を用意できるようにする事です。つまり、絶滅を避けるための保険です。作物の多様性は人類の共有財産です。そして、食品業界、食の安全保証、命、生物多様性、人類が抱える様々な問題を解決するのは“種”なのです。」

命の種を守るため、抗議し続ける農民(ハイチ)

2010年1月12日、ハイチ共和国でマグニチュード7.0の大地震が起こった。約21万7300人が死亡、負傷者は約30万600人に上り、首都を中心として甚大な被害をもたらした。深刻な状況の中、支援物資のひとつとして送られてきたモンサント社の遺伝子組み換えトウモロコシや野菜の種475トンを、ハイチの農民たちが燃やすという出来事がおこる。それをきっかけに、セイファート監督はGM作物に問題があると気づいた。

C・J=パプティス
パパイヤ農民運動 指導者

「モンサント社の贈り物は、私たちの生活を変えるために送られてきました。人を支配し文化を破壊するものです。種は自然の恵みそのものです。モンサント社の種をハイチから無くすために種を燃やしました。」

遺伝子組み換えトウモロコシの長期給餌の実験(フランス)

2009年フランス・カーン大学で極秘に行われていた、ラットの一生(約二年間)に“遺伝子組み換えトウモロコシ”を与え続けると、どんな影響が起こるのか調べた実験。この研究結果は、EUだけでなく、世界中に大きな波紋を投げかけた。

ジル=エリック・セラリーニ
カーン大学分子生物学教授

「ラットに腫瘍が確認されたのは1年目の終わり頃、ラットでいう人生の折り返し地点、人間なら30〜40歳くらいです。すべてがGM食品が原因とは言い切れませんが、腫瘍の原因の一つだと思います。」

多様性のために戦い続ける環境活動家(インド)

環境活動家であり、哲学者でもあるヴァンダナ・シヴァは種子の多様性を訴えるとともに、自身が設立したナウダーニャ農園で種を自家採取し保管に尽力している。

ヴァンダナ・シヴァ
環境活動家

「多様性や自主自立を壊す種を、企業は推し進めています。ひとつの業界に囚われる社会なんて、間違っています。政府との癒着も密接です。しかし、だからこそ環境や食糧生産を守るため小規模な農家と農村地域を活性化しなくてはいけません。」

悪夢となった除草剤耐性、自然とのイタチごっこ(アメリカ)

1945年に10万トンの農薬の使用量は、2000年には230万トンに膨れ上がった。その結果、農薬に抵抗性をもつ500種以上の虫が生まれ、除草剤でも枯れないスーパー雑草が誕生した。

ドン・グラムス
種子販売店 兼慣行農家

「スーパー雑草は、8~9の州で確認されました。除草剤でも枯れないのです。この畑には、9~12種のスーパー雑草があります。除草するために、別の農薬を使用します、この畑は、農薬がなければスーパー雑草しか育ちません。」

在来種を守るカリフォルニアの種子保存協会(アメリカ)

ここの種子カタログで言葉を覚えたと言われるくらい筋金入りの種好きの長男のフィン。 彼が訪れることを夢にまで見た“タネ屋さん”がこの種子保存協会だ。現在、24000種の種を保存している。

ダイアン・ウィリー
種子保存協会 設立者

「この保存会を設立したきっかけは、在来種に興味を持つ人がいたからです。今では、24000種の種子を保存しています。この先トマトの原種は使う機会なんてないかもしれない。だけど、全部保存することが、ここの方針です。」