イントロダクション


ホエール・ウォッチング客に逆ギレ!船上は大虐殺の舞台に・・・
世界の三大捕鯨国であるアイスランド、初のホラー映画!

世界に広がった反捕鯨運動により、捕鯨禁止で失業した一家が、ホエール・ウォッチングに訪れる観光客に逆ギレ!総人口約30万人のアイスランドで初めて製作されたホラー映画である本作は、ラース・フォントリアー監督のミュージカル『ダンサー・イン・ザ・ダーク』でアイスランド出身の歌手ビョークの作詞を行ったことで知られるシオン・シガードソンを脚本家に迎えた強烈なブラックパロディ・ホラー映画である。


『悪魔のいけにえ(原題:テキサス・チェーンソー・マサカー)』レザーフェイス役、 ガンナー・ハンセンとワールドワイドに活躍する女優裕木奈江、まさかの共演!!

タイトルの『レイキャヴィク・ホエール・ウォッチング・マサカー』は、いうまでもなく『テキサス・チェーンソー・マサカー(悪魔のいけにえ)』からタイトルをいただいたものであり、レザーフェイス役でホラー映画界のカリスマとなったアイスランド人俳優、ガンナー・ハンセンが鯨観光船の船長役で出演している。また、『インランド・エンパイア』(デヴィッド・リンチ)や『硫黄島からの手紙』(クリント・イーストウッド)などに出演し、ますますワールドワイドに活躍する女優、裕木奈江が出演。大殺戮の鯨観光船上で、日本人夫婦のメイド、エンドウを好演!


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ストーリー


ホエール・ウォッチングのため、世界中から観光客の集まるアイスランド、レイキャヴィク。あるよく晴れた日、6組の乗客を乗せていつものように観光船は出航した。しかし不慮の事故で突如船長を失った観光船は、帰港する術をなくしてしまう。そこへやってきた家族経営の捕鯨船が、取り残された観光客たちに救いの手を差し伸べるのだが、それが恐怖のシナリオの始まりであった…。

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キャスト


ペートゥル船長

かつては水夫であったが、年老いた今は、自分の船を鯨見物の観光船にしている。
ペートゥル船長
ガンナー・ハンセン Gunnar Hansen

1947年生まれ、アイスランド出身。 『悪魔のいけにえ』の殺人鬼レザーフェイスを演じたことで伝説になるも、その後俳優としてのキャリアを捨て執筆活動への専念を決断。雑誌への寄稿(時には雑誌編集も)や本の執筆を経た1987年、俳優業に復帰し『女切り裂き狂団チェーンソー・クィーン』に出演。以降20本の映画に出演している。1993年には彼が執筆したノンフィクションの旅行記「Islands at the Edge of Time: A Journey To America's Barrier Islands」が出版された。また、非常勤講師として大学で教鞭を取っている。


エンドウ

お金持ちの日本人夫婦のメイド。ストレスが溜まっている。
エンドウ
裕木 奈江 Nae

1970年生まれ、横浜出身。 80年代末に映画女優としてデビュー、90年代にはアイドル的な人気を博し、歌手活動、CM、ラジオのパーソナリティなど多方面で活躍。主な出演TVドラマは『北の国から '92年旅立ち』(92)、『ポケベルが鳴らなくて』(93)。映画作品に『学校』(93/山田洋次監督)、『光の雨』(01/高橋伴明監督)、『硫黄島からの手紙』(06/クリント・イーストウッド監督)、『インランド・エンパイア』(06/デヴィッド・リンチ監督)など。


レオン

頼りになる黒人男性。女性たちの視線を一手に集めているが・・・。
レオン
テレンス・アンダーソン Terence Anderson

イギリス・エセックス州ダーゲンハム出身。 十代で渡米し、1998年までニューヨークの公立学校で、教職に就く。2000年3月の帰国を機に、演劇学校に通いめ、『ビッガ・ザン・ベン』、『ルーラーズ&ディーラーズ』、『キャピタル・パニッシュメント』などに出演。俳優業のかたわら、レイナ・キャンベルの戯曲『フロム・ザ・ピット・オブ・マイ・スタマック』で監督としてもデビューした。


アネット

友達に誘われホエールウォッチングに来たが、直前に裏切られ、一人で乗船することに。
レオン
ピーラ・ヴィターラ Pihla Viitala

1982年生まれ、フィンランド・ヘルシンキ出身。 演劇学校で学んだ2007年以降、テレビシリーズや、テレビ映画、ショートフィルムなどに立て続けに出演。今後も、ダミアン・ルイス主演作の『Man Is Wolf to Man』(2012)に出演が決定するなど、出演作が多数控えている。日本での最新公開作品は『4月の涙』。


マリー

新婚旅行でアイスランドに来るはずだったが、フィアンセが亡くなってしまい、一人で傷心旅行をしている。
マリー
ミランダ・ヘネシー Miranda Hennessy

1989年9月8日生まれ。イギリスのドーセット出身。 女優であり、コメディ作家でもある彼女の経歴には、寸劇集団の「Clever Peter」での作家兼パフォーマンスの他、テレビ・シリーズのホームコメディ「The Pro Show」の主演や、「This Just In」、「Dick and Dom's Funny Business」などへの出演がある。


ママ

捕鯨船一家の長。夫に先立たれ、捕鯨で生計を立てていた。
ママ
グズルーン・ギズラドッティル Guðrún Gísladóttir

1954年生まれ、アイスランド出身。 キャリアは長く、20代の頃から、テレビシリーズや、映画に出演し、アンドレイ・タルコフスキー監督の遺作であり、1986年の第39回カンヌ国際映画祭において絶賛され、審査員特別グランプリを初めとする4賞を独占して受賞した「サクリファイス」(1986)では、召使いマリアを演じている。ビョークが20歳の時に初出演した映画「ビョークの『ネズの木』~グリム童話より」(1990)にも母親役で出演。


トリグヴィ

現在捕鯨船を取り仕切る長男
トリグヴィ
ヘルギ・ビョーンソン Helgi Björnsson

1958年生まれ。 過去には、『Cold Trail』(2006)や、ジュリアス・キャンプ監督がプロデューサーを務めた『Eleven Men Out』(2005)などに出演している。また、アイスランドではとても有名なバンド「SSSol」のボーカルも担当している。


シギー

捕鯨船一家の次男。黒魔術が趣味。
シギー
ステファン・ヨンソン Stefán Jónsson

1964年8月23日生まれ、アイスランド出身。 1990年にデビューし、その後、アイスランドの長編・短編映画、テレビシリーズなどに出演。『Cold Trail』(2006)にも出演しており、そこでヘルギ・ビョーンソンとは共演済みである。最新作は長編映画『Rokland』(2011・アイスランド)。


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プロダクションノート


『RWWM』が生まれた経緯について

2004年、本作のジュリアス・ケンプ監督と、脚本家であるシオン・シガードソンが、別のカウボーイの映画の脚本を進めていた頃、シオン・シガードソンがアニメーション関連のカンファレンスに出席する機会があり、そこでデンマークのグループから、なぜ今まで誰も"ホエール・ウォッチング・マサカー"という題名の映画を作っていないのかとの議題が出た。論争を巻き起こしている社会問題が、ホラー映画の題材になるという奇妙な話は、これがきっかけとなる。


プロットについて

本作のベースに、神話や都市伝説はなく、これはシオン・シガードソンが紡いだ単なる空想である。しかし、ホエール・ウォッチング業と捕鯨業という2つの世界を衝突させるというアイデアが根本にある。この物語はどちらの側にも立っていないし、政治的でもない。ホエール・ウォッチングの一家はもちろん卑劣なキャラクターだが、観光客も同様の描き方をしている。彼らのように、誰でもダークな側面を持っていて、いつかは死ぬ運命にあるという大きな筋がある。

資金集めについて

当初は「予算2億ドル!」と豪語して始まったプロジェクトだったが、すぐに壁にぶち当たってしまう。製作費集めに奔走している間に企画が消えてしまうより、ハードルを下げて進行することになり、資金集めをクリアしている。ちなみに、プロデューサーの一人であるイングヴァール・ソルダソン氏は、とんでもない逸話を持っている。学生時代にお金のかかる彼女と付き合っていた当時、銀行強盗を実行したものの大したお金を得られず、終いには警察にバレるはめに。その経緯を本にしたところ、銀行強盗で得た金より稼げてしまったというエピソード持ちである。

普通の映画とスラッシャー映画の製作上の違い

本作で、一般的な作品づくりとは大きく異なったのは、特に音響面である。『プレデター』などに携わった英国人音響技師を雇ったことにより、巨額なサウンドライブラリーを丸ごと入手することが出来、海外の巨大スタジオ並みの音響効果が本作に使用されている。

ジュリアス・ケンプ監督によれば、過去の作品では必ずアイスランド人の音響技師と組んで納得の仕上がりを得ていたので、外国人にすべて任せることに対してはシニカルな気持ちがあったそうだ。ただ、「ホラー映画の良し悪しは、8割が音にかかっている」ので、そこは削れないと考え、今回は英国人音響技師を起用。結果的に、最高の出来になり、監督自身も満足している。


撮影期間について

撮影は40日以上になった。また、ロケの場所が地方で、しかも船上だったので、キャストが到着する前に準備するのに、いつも2日はかかっている。天候についてはかなり幸運に恵まれた。

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スタッフ


監督 ジュリアス・ケンプ Júlíus Kemp

ジュリアス・ケンプ

1967年生まれ、レイキャヴィク出身。 イギリス美術工芸専門学校で映画製作を学ぶ。同郷アイスランドのフリドリック・トール・フリドリクソン監督作品『春にして君を想う』(アカデミー外国語映画賞ノミネート)に編集として参加するため学校を離れた。同年、映画製作/配給会社Icelandic Film Companyをフリドリクソン共同で設立。共同脚本も兼ねた『Veggfodur erotisk astarsaga』(92)で長編監督デビュー。 1997年11月に『Blossi/810551』が米アカデミー外国語映画賞のアイスランド代表に選ばれ、1998年には『The Happy End』がトロント国際短編映画祭のコンペティション部門に出品。2000年には"The Icelandic Dream"をプロデュースし、アイスランドのオスカーともいえるエッダ・アワードにおいて最優秀映画賞を含む4冠に輝いた。さらにヨーテボリ映画祭(スウェーデン)の最優秀北欧映画部門に出品。エディンバラ国際映画祭、トロント国際映画祭、釜山国際映画祭でも入選を果たすなど、監督としてだけではなく、プロデューサーとしても高い評価を受けている。



脚本 シオン・シガードソン Sjón Sigurdsson

シオン・シガードソン

1962年レイキャヴィク生まれ。10代の頃からアイスランドのアートシーンに関わり、これまでに13冊の詩集と7冊の小説のほか、戯曲、絵本などを出版。小説は23ヶ国語に翻訳され、文学賞の受賞経験も多数。1987年にはジョニー・トライアンフ名義でシュガーキューブスにゲストボーカリストとして参加、インディレーベルも運営するなど音楽シーンにも深く関わっている。
ラース・フォントリア監督の『ダンサー・イン・ザ・ダーク』(2000年)でビョークが歌った「I've Seen It All」(※ラース・フォントリア、ビョークと共に2001年アカデミー賞歌曲賞にノミネート)や、「バチェラレット」、「イゾベル」、「Joga」、「オーシャニア」(※2004年夏季アテネオリンピック公式テーマソング)などの楽曲に歌詞を提供している。



製作:マイク・ダウニー、イングヴァール・ソルダソン、ギスリ・ギスラソン、サム・テイラー
製作補:ケイティ・モイラン
編集:シガービョーグ・ヨンスドッティル
音楽:ヒルマー・ウーン・ヒルマソン
美術:エガート・ケティルスソン

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