『ウェイストランド THE WASTELAND』

上映終了

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日時
上映終了
料金
一般¥1,500/学生¥1,300(平日学割¥1,000)/シニア・UPLINK会員¥1,000
会場
X(2F)
作品分数
80分
リンク

『死化粧師オロスコ』『ジャンクフィルム』で世界を華麗なる衝撃の淵にたたき落とした死体写真家、釣崎清隆が送るショックメンタリー三部作の最終篇がついに完成!!


“WASTELAND” 『ウェイストランド』
二〇世紀末には裏切られた。終末感はちっともなく、むしろ新千年紀を迎える祝賀ムードに満ち満ちていた。破局が来るはずの一九九九年はただの皇紀二六五九年であった。むしろ911から311へ連なる、世界に垂れ込め始めた暗雲と、日本を覆う閉塞のこの十年の方がよほど世紀末的ではある。どおりでこの世界は思っていたほど夢がない。欺瞞だらけ恫喝ばっかじゃないか。
二〇〇一年、911で生じた暴力の相貌への違和感により導かれたパレスチナの味気なくも深刻かつ絶望的な清浄無垢は、ラテンアメリカが自ら世界に戦争の汚穢を悪趣味に過剰露出することで、風に乗って伴奏する設計済みの白々しい詭弁が馬脚を現わし、そしてあたりは確実な恐怖で頑固に汚染されていたという事実に気付き、異相を生きるがためそんなたぐいをまったく知覚しない自由で無責任なインドの行者はこのおぞましい世界を救えはしないが、生き残ることはできる。ただ恥を知らないべらぼうなうそは見抜くだろう。欺瞞と恫喝の世界の埒外で適用を逃れるからだ。だが、ただそのように存在しているだけで、自虐苦行によって世界がもたらす災厄をいくらか肩代わりしようと試みているが、世界が救えないどころか、現に苦しんでいる人ただの一人も救えない。ただ、暴力ストレス下で肥大再生産した恐怖をトリガーとした集団ヒステリーの局面では、ノリノリであろう。ただそのような存在である。ひたすら祈る存在である。必要とされるから存在し続ける。作為で出現させられた人種のるつぼは、ルール無用のバトルロワイヤルのリング空間という必然的な本質をあからさまに露悪し、さらにそれ自体が空間の意志として他者へむやみやたらに牙をむく。戦争がデザインされた人工空間に正統性はない。その究極の目的は〝人食い〟にほかならず、そこには勝者も敗者も、英雄もいない。この世で最も残酷で壮大な茶番である我々の想定より十年遅れて、我が母なる大地は地獄の停滞にあえぐ日本民族に対し、負のスパイラルの底を打つ大破局を与えたもうた。二〇一二年、311で生じた猛威は、日本人一人一人すべての胸に、我々が歴史的霊的連続性を営々と生き死んでいく祖国の意志という荘厳なる畏怖の核心を直感させたはずである。世界一長大な民族叙事詩は大河の一滴として流れゆく国民一人一人が刻むのである。これでいや応なく歩き始めるのだ。
さあ、パーティーである。 

『ウェイストランド THE WASTELAND』(2012年/日本/80分/カラー/ステレオ/4:3)
監督・撮影・編集:釣崎清隆
音楽:コラプテッド“El Mundo Frio”(H:G fact)




釣崎清隆(つりさききよたか)

死体写真家・映像作家・文筆家。1966年富山県生まれ。慶應義塾大学文学部卒。学生時代から自主映画制作、文筆活動を開始し、AV監督を経て写真家として活動開始。ヒトの死体を被写体にタイ、コロンビア、メキシコ、ロシア、パレスチナなど世界各国の無法地帯、紛争地域を取材し、これまでに撮影した死体は千体以上。
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