【見逃した映画特集2016】『さとにきたらええやん』

2017/1/14(土)~20(金)

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(C)ガーラフィルム・ノンデライコ
日時
2017/1/14(土)~20(金)
料金
一般¥1,300/学生・シニア¥1,100/UPLINK会員¥1,000 ※特別興行の為パスポート会員使用不可、サービスデー適応外
作品分数
100分
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日雇い労働者の街・釜ヶ崎で38年間続く子どもたちの憩いの場「こどもの里」―

さまざまな困難にぶつかりながら全力で育つ子どもたちと、彼らを支える職員たち。人情が色濃く残る街の人々の奮闘を描く、涙と笑いあふれるドキュメンタリー



いつでもおいでや。子どもも大人も集まる みんなの“さと”


大阪市西成区釜ヶ崎。“日雇い労働者の街”と呼ばれてきたこの地で38年にわたり活動を続ける「こどもの里」。
“さと”と呼ばれるこの場所では0歳からおおむね20歳までの子どもを、障がいの有無や国籍の区別なく無料で受け入れています。地域の児童館として学校帰りに遊びに来る子や一時的に宿泊する子、様々な事情から親元を離れている子だけでなく、子どもの親たちも休息できる場として、それぞれの家庭の事情に寄り添いながら、貴重な地域の集い場として在り続けてきました。
本作では「こどもの里」を舞台に、時に悩み、立ち止まりながらも力強く成長していく子どもたちと、彼らを支える職員たちに密着。子どもたちの心の揺れ動きを見つめながら、子どもも大人も抱えている「しんどさ」と格闘する人々の切実な姿を描き出しました。


【story】
“日雇い労働者の街”釜ヶ崎にある「こどもの里」。いつもたくさんの子どもたちで大騒ぎ。大きい子から小さい子まで、誰でも自由にいることができる、みんなの“さと”です。子どもを預ける親にとっても、そこは無くてはならない場所。時には、親が夜仕事で働いている子どもたちの宿泊場所にもなっています。

館長を務めるのは、38年前に「こどもの里」を立ち上げた荘保共子さん。荘保さんは設立以来ずっと「こどもの里」一筋で、釜ヶ崎の子どもたちと関わってきました。代々の子どもたちから「デメキン」というあだ名で呼ばれている荘保さんは、時には厳しく、しかし何があっても子どもたちの味方であり続けています。

マサキくんはやんちゃな5歳。自転車が大好きなマサキくんですが、発達障害があり、自分で「やりたい!!」と思う事に集中すると周りが見えなくなってしまいます。そんなマサキくんに時々イライラしてしまうお母さんは、しんどくなって手を上げることを避けるために「こどもの里」にマサキくんを預けに来ます。自身の育った環境による“苦しみ”を抱えているお母さんはカウンセリングを受けていますが、そんなお母さんに対してもまたこどもの里の職員たちが支えています。

生意気盛りな中学生・ジョウくんは、こどもの里のムードメーカー。彼がいると周りがにぎやかになりますが、時に騒ぎ過ぎて怒られることもしばしば。明るい性格のジョウくんですが、軽度の知的障がいがあることにコンプレックスを抱えており、学校の交友関係でも悩みを抱えていました。その苛立ちから、兄弟に暴力を振るってしまうことも。こどもの里の職員たちはジョウくんと彼の家族を丸ごとをサポートしながら、彼の将来も共に考えていきます。

高校生のマユミちゃんはおっとりした性格ながら、家事もこなす優等生。小学生のころから「こどもの里」で生活しており、離れて暮らすお母さんは健康や対人関係に困難を抱えながら日々を送っています。就職も決まり、高校卒業を目の前にしたマユミちゃんにある事件が起きました。焦燥するマユミちゃんを職員たちは強く励まし、優しく包み込むように接します。

「こどもの里」で様々な事件が起こる中、館長の荘保さんがくも膜下出血により入院するという緊急事態が起こりました。屋台骨の不在に職員だけでなく施設全体にも動揺が広がっていく中で、この春にはマサキくんは小学校の入学、ジョーくんは中学校を卒業、マユミちゃんはこどもの里からの“卒業”と、とそれぞれ人生の門出を迎えます。様々な問題を抱えながら、懸命に人生を切り開こうとしている子どもたちと、彼らを支える「こどもの里」の活動に密着した本作は、どんな結末を迎えるでしょうか。

わたしはあんたの味方やで!いま現在求められている“子どもたちの居場所”の原風景


人と人とが関わり合うコミュニケーションが希薄になり、地域のコミュニティが失われつつある現在の日本。大阪市西成区釜ヶ崎は今でも日雇い労働者が集う喧噪の街ですが、昨今ではあまり見られない、地域内のコミュニケーションが現存している街でもあります。「こどもの里」はそんな釜ヶ崎の子どもたちにとって大切な“居場所”です。子どもたちを巡る状況が急激に変化している今、あらためて注目されている「こどもの里」の取り組みは、これからの社会を歩む私たちに子どもも大人も安心できる“居場所”とは何か、問いかけています。

ボランティア参加から完成まで7年- 大阪在住・重江良樹監督の初監督作品。SHINGO★西成の音楽は人々を鼓舞し、あたたかく包み込む


「こどもの里」の活動を通して、画面いっぱいにあふれ出る子どもたちや、釜ヶ崎という街の魅力を捉えたのは、大阪在住の重江良樹監督。ボランティアとして「こどもの里」に通い始めてから丹念に取材し、初監督作品として本作を完成させました。音楽は地元・釜ヶ崎が生んだヒップホップアーティスト、SHINGO★西成。ストレートで飾らないメッセージの中に、街で生きる人々への熱い思いがつまったSHINGO★西成の楽曲が、生きることそのものを力強く肯定し、映画全体をあたたかく包み込みます。


『さとにきたらええやん』(2015/日本/100分/カラー/16:9/5.1ch/DCP)
監督・撮影:重江良樹
音楽:SHINGO★西成
配給会社:ノンデライコ
(C)ガーラフィルム・ノンデライコ


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