【見逃した映画特集2016】『チリの闘い』

2016/12/24(土)~30(金)

BATTLE OF CHILE 03_Image courtesy Icarus Films_Allende Making Speech
(C)1975, 1976, 1978 Patricio Guzman
日時
2016/12/24(土)~30(金)
料金
※3部入替制 一般・学生・シニア 1,000/UPLINK会員 900 ※特別興行の為パスポート会員使用不可、サービスデー適応外
作品分数
263分
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「光のノスタルジア」「真珠のボタン」パトリシオ・グスマン監督作品


チリにおける政治的緊張と社会主義政権の終焉を記録した史上最高のドキュメンタリー映画



米『シネアスト』誌で“世界で最も優れた10本の政治映画の1本“と評された作品

『チリの闘い』はパトリシオ・グスマン監督による三部構成のドキュメンタリー映画である。
東西冷戦期の1970年、チリでは選挙によって成立した世界初の社会主義政権が誕生し、サルバドール・アジェンデが大統領に就任した。「反帝国主義」「平和革命」を掲げて世界的な注目を集め、民衆の支持を得ていたが、その改革政策は国内の保守層、多国籍企業、そしてアメリカ合衆国政府との間に激しい軋轢を生み、チリの社会・経済は混乱に至る。1973年9月11日、陸軍のアウグスト・ピノチェト将軍ら軍部が米国CIAの支援を受け、軍事クーデターを起こす。アジェンデは自殺(諸説あり)。以後、チリはピノチェトを中心とした軍事独裁政権下に置かれた。 パトリシオ・グスマンは、このチリにおける政治的緊張と社会主義政権の終焉を撮影・記録。クーデターの後、グスマンは逮捕・監禁されるも処刑の難を逃れ、フランスに亡命。撮影されたフィルムも奇跡的に国外に持ち出され、映画監督クリス・マルケルやキューバ映画芸術産業庁(ICAIC)の支援を得て、「史上最高のドキュメンタリー映画」とも言われる破格の作品を完成させた。


【作品構成・概要】
喧騒と静寂、勝利か敗北か


第一部:ブルジョワジーの叛乱(96分)
1973年3月におこなわれた議会選挙における左派(人民連合)の予期せぬ勝利に続く、右派による攻勢の激化を検証する。議会制民主主義がアジェンデの社会主義政策を阻止できないことを思い知った右派は、その戦略を国民投票から街頭闘争へと転換する。この第一部は、右派が政府を弱体化して危機的状況を引き起こすために、デモやストライキの扇動から暴動、そしてテロへとその暴力的戦術をさまざまに駆使する様子、そしてついには軍部がクーデター未遂事件を引き起こすまでの数か月間を追う。
第二部:クーデター(88分)
第二部は、第一部の終盤に登場した1973年6月29日のクーデター未遂事件で幕を開ける。この「クーデター未遂」は、軍にとって有益な予行演習となったことは明らかであり、「本番」がおこなわれるのは時間の問題だと誰もが認識しはじめた。左派は戦略をめぐって分裂し、一方右派は着々と軍による権力掌握の準備を進める。最終的に73年9月11日の朝にクーデターが実行に移され、大統領府は軍による爆撃を受け破壊される。アジェンデはラジオを通じてチリ国民に向け演説をした後、自殺と思われる死を遂げる。同じ日の夜、アウグスト・ピノチェトを議長とする軍事評議会のメンバーがテレビ出演し、新たな軍事政権の発足を宣する。
第三部:民衆の力(79分)
平凡な労働者や農民が協力し合い、”民衆の力”と総称される無数の地域別グループを組織してゆく姿を追う。彼らは食糧を配給し、工場や農地を占拠・運営・警備し、暴利をむさぼる闇市場に対抗し、近隣の社会奉仕団体と連携する。こうした活動は、まず反アジェンデ派の工場経営者や小売店主や職業団体によるストライキへの対抗手段として始められたものだった。やがて”民衆の力”は、右派に対し決然たる態度で臨むことを政府に要求する、ソビエト型の社会主義的組織体へと徐々に変質してゆく。


アジェンデ政権末期の記録

『チリの闘い』は、サルバドール・アジェンデ大統領率いる人民連合政権(1970年~1973年。マルクス主義を掲げて民主的選挙で成立した史上初の政府)時代の、騒擾に満ちた最後の数か月間を記録・再構成した作品である。階級闘争を繰り広げる国民と内戦の危機に瀕した分裂国家の姿を記録し、三部構成・約四時間半の大長編映画へと作り上げたのは、パトリシオ・グスマンをリーダーとする映画製作チーム「三年目」。映画は、政治家たちが討論する議場、時に周囲が煙や銃声に包まれる不穏な街頭デモ、「備蓄された武器」を探して労働者たちの拠点を襲撃する軍、サンティアゴの街頭でおこなわれる大規模な政治集会等々、その視点をミクロからマクロへ至るまでの多彩な事象に据えて、当時のチリが置かれていた一触即発の危機的状況とその後のアジェンデ政権崩壊、そうした状況下で奮闘しつつ社会主義的な自治=互助組織を形成してゆく民衆の逞しさを複眼的に描き出す。



チリの闘い(1975年/チリ・フランス・キューバ合作/263分/原題:La batalla de Chile)
監督:パトリシオ・グスマン
製作:パトリシオ・グスマン、パトリシア・ボエロ、ホルヘ・サンチェス
配給:アイ・ヴィー・シー
(C)1975, 1976, 1978 Patricio Guzman


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