【見逃した映画特集2017】『台北ストーリー』

1月6日(土)~1月12日(金)

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日時
1月6日(土)~1月12日(金)
料金
一般¥1,300/学生・シニア¥1,100/UPLINK会員¥1,000 ※特別興行の為パスポート会員使用不可、サービスデー適応外
作品分数
119分
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エドワード・ヤン監督×ホウ・シャオシェン主演
台湾ニューシネマの奇跡の瞬間が刻印された幻の傑作、ついに公開!




『牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件』のエドワード・ヤンが、『恐怖分子』の前年(’85)に撮りあげた長篇第2作にして、凄まじい強度を孕んだ野心作。すでに『風櫃(ルビ:フンクイ)の少年』『冬冬の夏休み』などを発表していた盟友ホウ・シャオシェンが、エドワード・ヤンのために自宅を抵当に入れてまで製作費を捻出し、完成へとこぎつけた、いわくつきの作品である。
 ながらく日本で見られる機会がなかったが、マーティン・スコセッシ率いるフィルム・ファウンデーションのワールド・シネマ・プロジェクトにより、4Kによるデジタル修復が実現(この修復作業にもホウ・シャオシェンが協力している)、エドワード・ヤンの生誕70年・没後10年にあたる今年、ついにその幻のヴェールを脱ぐ。


 主演は、これが俳優として唯一の主演作となるホウ・シャオシェンと、この後エドワード・ヤンと結婚することになる台湾の人気シンガー、ツァイ・チン(『恐怖分子』の主題歌を歌っているのも彼女である)。ほか、『光陰的故事』でエドワード・ヤンらと共に監督を務めたクー・イーチェン、『恋恋風塵』『悲情城市』などの脚本でも知られるウー・ニェンチェンなど、自分の信頼できる仲間だけで固める、というエドワード・ヤンの意思がはっきりと表れたキャスティング。まさに「台湾ニューシネマの最も幸せな瞬間」に誕生した奇跡の一本と言えるだろう。


 そして、この映画のもう一人の主役といえばもちろん、80年代なかば、日に日に変貌を遂げつつあるアジアの大都市、台北。「『台北ストーリー』の主人公2人は、それぞれ台北の過去と未来を表している。過去から未来への移行というのがテーマだ」(エドワード・ヤン)。また、四方田犬彦も自著『台湾の歓び』(岩波書店・刊)の中でこう語っている「楊徳昌(エドワード・ヤン)はあるときわたしに、この作品は滅びゆこうとする廸化街へのオマージュなのだと語った・・・。これは重厚な記憶とノスタルジアに満ちたフィルムである」(本書114頁)。事実、日本人にも馴染み深い廸化街の歴史的な問屋街のたたずまいが、ガラス張りの無機質な高層ビルや、大通りの車両の混沌とした動きなどを捉えたカットと平行して、不意に闖入してくる。そして白眉は、< 富士FILM>の大看板の強烈なネオンの放射を受けて黒いシルエットへと還元されてしまうカップルの姿、またはイルミネーションに彩られた夜の街をバイクで爆走する若者たちの、その疾走感。現実の都市なのにあまりに映画的な、エドワード・ヤンにしか捉えられない台北の息吹が、ここにある。


【STORY】この街は、そして私たちは これからどこにむかってゆくのだろう

台北市内のガランとしたマンションの空き家を訪れる男女二人。女は、ステレオをあそこに、テレビはここに、と夢を膨らませている。男は気のない様子でバッティングの素振りのフォームをしながら「内装に金がかかりそうだ」、「わたし、今度昇進するから大丈夫」。
女はアジン。不動産ディベロッパーで働くキャリアウーマンだ。男はアリョン。少年時代はリトルリーグのエースとして将来を嘱望されていたが、いまは家業を継ぎ、廸化街で布地問屋を営んでいる。二人は幼なじみ。過去にはそれぞれいろいろとあったようだが、なんとなく付き合いが続いている。
順調に思えたアジンの人生だったが、突然勤めていた会社が買収され解雇されてしまう。



『台北ストーリー』(1985年/台湾/中国語/119分/カラー/DCP/原題:『青梅竹馬』)
監督・脚本:エドワード・ヤン
製作・共同脚本:ホウ・シャオシェン
音楽:ヨーヨー・マ
出演:ツァイ・チン、ホウ・シャオシェン、ウー・ニエンチェ、クー ・イーチェンほか
配給:オリオフィルムズ


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