プロダクションノート


2004年の3月のとある朝、
監督のソロは後に『1000の言葉よりも』として発表されるドキュメンタリー映画のテスト撮影に出かけた。

作品の主人公はイスラエル・パレスチナ紛争の取材を続ける一人のイスラエル人の写真家である。
男は監督を恐ろしい知らせと共に出迎えた。「一時間ほど前にイスラエル空軍がハマスのリーダー、ヤシン氏を暗殺した。

君の安全は保障できない。私と行動を共にするのなら、自分の命は自分で守れ」
心から望んで挑んだこのドキュメンタリーの制作を始めるべきか、あるいは自分の命と家族のために止めるべきか。

彼は行く事を即決し、撮影機材を抱えて車に乗り込んだ。

映画の中で焦点があたるのはテルアビブ在住の一人の写真家ジブ・コーレンだ。
イスラエルとパレスチナに関する彼の写真はこれまでに世界中の新聞のトップを飾って来た。
2年間の撮影を通じて監督のソロは、暴動やテロ攻撃、密会や指名手配の活動家を取材するジブの姿を追った。

「映画の中でジブは、生きて帰れたらヒーローだが、死んだらただの間抜けだ、と言っています。 つまりある状況下において弾に当たったら自分の責任だけど、どう行動し、反応すべきかをわきまえていれば平気だと 言いたかったのでしょう」