Story

映画『バレエ・ボーイズ』

高くジャンプし、高速でピルエットする時、少年たちの顔には汗が流れる。プロのバレエダンサーになりたいという夢を実現するため、週6日は猛特訓の日々を過ごす『バレエボーイズ』。まだあどけなさが残る14歳の彼らの課題は、女の子を持ち上げられるように上半身を鍛えること。

毎日誰よりも早くスタジオに来てストレッチをするルーカス。親から学業を優先してほしいと言われるシーヴェルト。街で知らない人から挨拶されるのは楽しい、と話すトルゲール。ロッカールームではふざけあい、女の子の話をしたりしながら、互いに意識しながら励ましあい、夢に向かって切磋琢磨する。バレエダンサーという同じ夢を持ち、ともに舞台に立つ3人は、かけがえのない存在として友情を育んでいた。

週末のパーティを犠牲にして、懸命にバレエのレッスンに打ち込むのは、オスロ国立芸術アカデミー(KHiO)への入学が全てだったからだ。入学を許可されるかどうかは、審査員にかかっている。教師は少年たちを心配し、バレエダンサーになれなかった場合は、どうするのかと問いかける。不安や戸惑い、プレッシャーを払いのけて舞台へ挑む。フランス・グラース国際バレエコンクール、スウェーデン・ファールン北欧バレエコンクールを経て、3人ともをKHiOへの入学のチケットを手にするのだった。

しかし、初めての人生の分かれ道が3人を待ち受けていた。出願していないにも関わらず、ルーカスだけに名門・英国ロイヤル・バレエスクールからオーディションの招待状が届く。一世一代のチャンスに緊張するルーカス、2人の仲間、両親や学校の先生も彼の決断を見守る。高額の学費、言語の問題、環境の変化、そして自分自身の才能について、ルーカスの不安は尽きなかったが、答えは決まっていた。「僕にはバレエ以外の道はない」、3人はそれぞれの方向に進みはじめるのだった。

Opera House

映画『バレエ・ボーイズ』

ノルウェーの美しいオペラハウスが舞台

2008年、オスロ市の中心にある貧困地区の河岸に隣接して建てられたノルウェー最大の文化施設、オスロ新国立オペラハウス。 海面からそそり立つ氷山を想起させるエレガントで美しいデザインはスノヘッタ建築事務所の設計によるもの。

Music

バレエボーイズを軽やかに彩る音楽

クラシック調の音楽はヘンリク・スクラム作曲、マケドニア・ラジオ交響楽団演奏と、エレクトロニカ調の音楽はゴラン・オバド作曲である。海外の映画祭でも高評価を受ける音楽は、少年たちのステップをより軽やかに演出する。