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順不同・敬称略

安藤哲也
NPO法人ファザーリング・ジャパン  ファウンダー/代表理事

少子化社会の今。子どもの教育に熱心な親は多い。
でも、考えすぎてはいけない。育て過ぎてはいけない。
子育てではなく「子育ち」。
子どもの話を聴く。必要なものを与える。
子どもが自由に、安心して、自分らしく育っていく環境を整える。
それが親の仕事だ。
大人たちよ、子どもの生きるチカラを信じよう。

この映画には各国の"イクメン"たちが登場する。
子どもと遊び、子どもの話を聴き、家族に気遣うパパだ。
子どもが安心できる環境。それはママが満たされ笑顔であること。
それを作るのがパパの仕事だ。

自分の子どもだけが幸せな社会はない。
弱っている子どもの背後には、困っている親がいる。
社会はもっと子どもを育てる人に投資しなければならない。
世界を変えるということは、そういうことだ。

池川明
池川クリニック院長

子供たちが胎内から記憶があることは、長年の胎内記憶の研究からわかってきました。
そこからわかることは、子育ては胎内から始まっているという新しい考え方です。
胎教と言う言葉を知っている方は多いのですが、多くは、子供に持っていない能力をつけさせるための教育と考え、胎内の時期から子供にはいろいろな思考する能力があり、子供は周囲の環境の影響を受け自発的に成長していると考えている人はそれほど多くありません。

本映画は胎内にいるときからの子供への愛情が子供の発達に大きく影響するということを、9カ国の家族、幼児教育の専門家たちへのインタビューを通して浮き上がらせていきます。まさに、胎内記憶で私が講演会などでお伝えしたいことを そっくり「映像化している」といっても過言ではないでしょう。 胎内からだけではなく、出産後の成長過程においても、母親、父親それぞれの子供の成長から見た大人の関わりについて、専門家の意見も交えて、今まで常識とされていた育児とは違う、新しい育児のあり方を提案をしています。

子育てをすると言うことは、一人の人と関わること、その上で、どのような子育てに大人が関わるのか、どのような人育ててゆくのか、ひいてはどのような家族や地域社会にしていきたいのか、という問いかけを、一人一人にしているのだと思います。それを多角的にそして具体的に映像で訴えかける本映画は、育児に関わる人に大いなる影響を与えるでしょう。ぜひ多くの人に見ていただきたい映画です。

海原純子
心療内科医、日本医科大学特任教授

子どもを育てることは大人を育てることでもある、子どもと大人の愛情に満ちた相互作用が子供の脳を育てるとともに、大人のこころを成長させる。子育ては社会の可能性と未来への投資なのだ。

国境を越え、文化の違いを超えたこの事実が専門家たちの研究を通しての意見や子育てをする母親や父親の姿から説得力を持って胸に迫る。地道に行われた取材に基づく貴重な映像に感銘を受けた。

大門正幸
中部大学教授、バージニア大学客員教授

命を謳歌する子供たちの輝くような笑顔。子供とかかわる大人達からほとばしる愛。美しい映像に 胸がいっぱいになりました。長年の探求と経験に裏打ちされた専門家達の言葉。重みのある一言一 言に深く納得させられました。劣悪な状況下で悩み苦しみながらも懸命に生きる親子の姿。同じ地 球上で起こっている悲しみに、今自分ができること、なすべきことを改めて考えさせられました。 全ての大人達に是非見て欲しい、そんな映画です。

小笠原 舞
保育士起業家 / 合同会社こどもみらい探求社 共同代表

大人には見つけにくくなっている小さな幸せや、この世界の美しさ・面白さを、こどもたちはたくさん知っています。こどもはこうだと決めつける前に、じっくり見て、そのまんまの形を愛し、信じてほしい。これからの未来のために、すべての大人にみてほしい作品です。

荻久保則男
映画「かみさまとのやくそく」監督

この映画には、すべての子どもたちが、人類のかけがえのない宝物なのだという信念が貫かれています。
アフリカの施設で働く女性は親のいない子どもたちに向かって「あなたたちは私たちの子ども。親がいなくてもそばにいるよ、安心しなさい」と笑いかける。
幼い弟や妹の世話をしながら懸命に働くインドの少女や里親になることを選んだ夫婦。
出演者たちの愛情溢れた生き方に、大きな勇気と笑顔をいただきました。

豪田トモ
『うまれる』映画監督

この映画は子育てという感情的な行為を科学的に理解するきっかけになる作品です。

加藤夏希
女優

「子育て」は、自分の幼少期を思い出しながら、日々子供と向き合っています。
まだ1歳になっていない彼女にはすでに自分の世界があって、そして毎日成長し続けています。
この作品は、そんな子供の心を代弁してくれるような作品で、また母親になった喜びに共感して観させて頂きました。子供が何歳だろうと関係なく、子供とどう向き合うべきかを考えさせられる作品で、「いのちのはじまり」の原点を描いた作品だと思います。
育児書って「ママは大変!」とママ目線でママの味方になって書かれてあるものが多くて、パパって、そういうのが耳に入ってこないんですよね。だけどこの作品は、どちらか片方の見方というより客観的に第三者が話してくれているので、パパもママもすんなり受け入れられ、お互いの言いたい事も伝わるなと思いました。

筒井勝彦
映画監督

世界9カ国の家庭での子育てのかたちを取材して製作された『いのちのはじまり』をみた。
子どもたちの母親や父親そして専門家たちへのインタビューはとても興味深く、とりわけ子どもたちの日常のありのままの姿や行動は洋の東西を問わず、たいへん面白く一気に子どもの世界へと引き込まれた。子どもは素晴らしい! 子どもは生まれ持って自ら成長する力を秘めている。
われわれ大人が子どもと接していくためには、もっと子どもを理解することが大切であると映画は訴えている。
「子どもは大人の父である」(英詩人・ワーズワース)という詩の一節のように、「子どもは学ばなければならない」のではなく、大人がもっと子どもを観察し「子どもから学び大人も共に成長する」という姿勢が大切なのではないかと考える。
ある専門家が乳幼児期の脳の神経細胞は愛情によって繋がっていくと語る。親の注ぐ愛情を受けて(提供)、子どもはその愛情に応える(反応)。そして子どもと親は相互反応を繰り返して変容し成長し続けていく。まさにこのコミュニケーションによって幸福へのスパイラルが生まれるように思う。母との絆、父との絆は貧困な家庭であろうと上流家庭であろうとも不変であると信じたいし、その鍵は、間違いなく乳幼児期の親の接し方にあるのではないかと思った。
これまで幼児教育をテーマにした映画をつくってきた者として、本作には深い感銘と共感を憶えたことは言うまでもない。われわれ大人が変われば子どもも変わる。そして未来も良い方向に舵を取ることになるだろう。この映画をぜひ多くの子どもに関わる皆さまに御覧いただきたいと願って止まない。

坪谷ニュウエル郁子
東京インターナショナルスクールグループ理事長、国際バカロレア日本大使

知っていますか?

『6人に1人の子ども、そしてシングルマザーの50%の家庭が相対的貧困。
社会保障給付金の内、子育て関係費はわずかに5%。
GDPに対して、教育財源の比率はOECD加盟国の中で
長年最低レベル、そして少子化に伴い年々教育予算は削られている』
それが今の日本の現状。

子どもたちは私たちの未来
子がいる人も、いない人も、子育て前の人も、子育て中の人も、子育てが終わった人も、
全ての大人が、子どもを私たち共通の財産として支える社会を創造していかなければ、私たちに未来はない。

このまま、私たちの今の目の前の得や楽を続けたいですか?
それとも未来を共に作っていきたいですか?
今こそ、子育て環境と教育を国の重要課題にしなければ私たちに未来はない。

牧野すみれ
書籍「ちょっと理系な育児」著者

「子どもは白紙のキャンバスだから、こうすれば理想の絵を描くことができる」という育児論は多いけれど、 この映画は、「すべての子どもは生まれたときから色彩豊かなキャンバスを持っていて、いかに賢く、創造性豊かで、尊重すべき存在か」ということに気づかせてくれる。
子育てが思い通りにならないと時々、真っ暗なトンネルにいるように感じることもあるけれど、子どもがこちらの期待と違う行動をとるのも、ニヤリと笑いたくなるような理由が隠れていたりするのだ。
キラキラした話だけでなく、陰に隠されがちな葛藤や悩みにも光を当てていて、子どもだった経験がある人ならだれでも、心に刺さる言葉が見つかるはず。